うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の接し方

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その心構えをご提案します。

小学生がうつ病になったら

■ケーススタディ■

以前は「大人がかかるもの」というイメージもあったうつ病ですが、大人だけでなく小学生でも発症する病気であることが知られてきました。
ある調査によると、子供がうつ病を発症する確率は5%から10%という結果がでています。
成人のうつ病発症率も10%前後という結果がでているため、大人と子供でうつ病発症率に大きな差がないことがわかります。
うつ病の原因の一つとして、「心因性ストレス」が挙げられます。子供の世界も、大人の世界と同じくストレスを感じやすくなってきているのです。
ここでは、小学生の子供がうつ病になったらどう対処するか、その方法を紹介していきます。

症状を見極める

子供のうつ病には、大人と同じように「倦怠感」、「食欲不振」、「不眠」などの症状が見られます。また、何事に対しても無関心になるという症状、会話の反応も過敏であったり逆に鈍かったりという症状も、大人のうつ病と共通しています。

しかし、子供のうつ病の症状はこれだけではありません。ちょっとしたことでイライラする、ひどく落ち込むといった情緒不安定な言動、落ち着きがなくソワソワしている、突然登校拒否をするなどの行動が見られます。

子供は大人に比べると感情の波が激しく、自分の感情を言葉で上手く伝えることができません。その代わり、落ち着きがない、ずっと塞ぎこむ、登校拒否をするといった行動で周りに自分の気持ちを伝えようとする傾向にあります。

その心理が影響して自分の殻に閉じこもるだけでなく、いつもより過剰に明るく振る舞うなどの行動を見せる子供もいます。この時点で気をつけておきたいことは、子供特有の精神的な不安定さとうつ病の症状を混同してしまうことです。この混同が起こることでうつ病の症状が見逃され、「子供にはよくあること」として片付けられてしまうと、適切な処置を受けられないまま放置されてしまいます。

うつ病になった子供を責めない

うつ病に対する間違った認識の一つに、「甘えからくる病気」という偏見があります。「自己管理ができていないからそうなる」、「周りに甘えたがっているだけ、根性が足りない」などの考え方です。子供のうつ病の場合は「うつ病は子供には関係ない病気」といった考えも根強いため、ついつい叱咤してしまう大人も多いので注意をしましょう。

うつ病の症状が出た際に「甘えてるだけでしょう」「周りの子はちゃんとしているのに、どうしてあなたはできないの」というように責めることは絶対にしないでください。

前述したとおり、子供は大人よりも精神的に不安定な状態にあります。それに加えて、自分の身に何が起こっているのか上手く呑み込めず「どうして自分はこうなってしまったのだろう」と悩むケースも少なくありません。その悩みで一杯一杯になっているときに、周りが責めるようなことをいっては子供を追い詰めてしまいます。「本人のためを思って」という気持ちがあったとしても、そのような発言は避けるべきです。

どう接するべきなのか

まずは、「本人のペースに合わせる」ということが大事です。これは大人のうつ病にもいえることですが、治療を急かすと患者さん本人の焦りや罪悪感を煽ることになります。そういった対応を避けた上で、うつ病の基本的な治療法である「休養」、「薬物療法」、「心理療法」の3つを実行していきましょう。

会話をする際には、相手の発言や考えに共感を示し、受け入れることが大事です。「それは間違っている」と叱ったり、何とかいいアドバイスをしようとして力んだりするのではなく「そういう気持ちなんだね」と共感を示すような声かけをするのが効果的です。

また、無理に学校に行かせるのも避けたほうがよいでしょう。うつ病は、給食が食べられなかったり、掃除や授業の準備ができなかったりと、普段簡単にできることもできなくなっている状態です。

そんな状態のまま学校に行かせると得意な教科も上手くこなせなかったり、普段ならしないような失敗をしたりして、更に自己嫌悪に陥らせてしまうことにもなります。

まとめ

大人に比べて自分の感情を上手く伝えられない子供は、うつ病になっても周囲に気づかれにくいもの。そのため治療もまだまだ手探り状態です。「子供でもうつ病になる」という認識を持って、周囲が支えていくことが治療への第一歩です。