うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の接し方

うつ病の正しい知識を持ち、
患者に
寄り添っていくために
その心構えをご提案します。

離婚や退職など、重大な決断は後回しにする

■サポートの基本■

うつ病を発症すると、多くの場合、学校や仕事を休んで自宅で療養することになります。
うつ病治療のためには、十分な休息が必要だからです。
しかし、自宅で休んでいても、うつ病患者はとりとめもないマイナス思考を続けてしまいます。
うつ病が、物事を悪い方に考えさせてしまう病気だからです。自責の念から、離婚や退職をしたいと言い出すこともあります。
このページでは、患者のこういった言葉にどう対応すればいいのかを紹介しています。

正常な判断ができない状態

うつ病は心の病気だといわれています。どんなことにも無気力になってしまう「抑うつ状態」や、本当なら興味のあることや好きなことに楽しみを見いだせなくなる「興味・関心の喪失」といった症状があらわれるためです。しかし最近は、むしろ脳の病気なのではという考え方が浸透してきました。

うつ病の直接的な原因は未だ解明されていませんが、最も可能性が高いと考えられているのが自律神経の乱れです。「セロトニン」というホルモンの分泌量が減ると、自律神経を構成する交感神経と副交感神経のうち後者が機能しづらくなります。交感神経が優位な状態が続くと、体は緊張状態が続き、うつ病発症の原因になるといわれているのです。

うつ病になると、物事を全て悪い方へ捉えてしまうようになります。そして、それしか選択肢がないように錯覚してしまいます。これは病気がそうさせているだけで、患者本人の意思とはまったく異なると考えていいでしょう。

離婚したい、退職したいと言われたら

うつ病により患者は正常な判断ができなくなっているため、離婚や退職を希望してきても、本心ではないと考えるようにしましょう。

うつ病を発症すると多くの人は自宅療養に入り、主に家族がその人の面倒を見ることになります。うつ病患者はそのことを、「家族に迷惑をかけてしまっている」「自分の存在が家族を苦しめている」と不安に感じてしまう可能性があります。そして本人の中で「自分が家族のもとを去ればいい」と結論づけてしまい、「離婚したい」と言い出すことがあります。

退職についても同じです。長期間仕事を休んでしまうことで「職場に迷惑をかけている」と感じ、「自分が辞めれば解決する」と考えてしまうのです。

それしか選択肢がないと錯覚してしまい、離婚や退職を言い出してしまうだけで患者本人がそうしたいと思っているわけではありません。このような場合は、「今は少し疲れているだけだから、もう少し回復してから一緒に考えよう」というように決断を後回しにしてあげましょう。本当に離婚や退職をしようものならとてつもないストレスになりますし、「離婚しなきゃ」「退職しなきゃ」と考えるだけでもストレスとなります。

回復期には、様子を見て決断を

病状が悪いときには後回しにしていた決断。それが、回復してきたら必要となるケースもあります。

例えば、うつ病の原因が職場にあった場合です。職場で受けたいじめや長時間の残業などが強いストレスとなり、自律神経のバランスを乱し、うつ病へとつながることがあります。ストレスの原因が職場にある場合、うつ病が回復しても同じ職場に戻るのはあまり良い選択肢とはいえないでしょう。このような場合には、退職することも視野に入れておきましょう。

ただし、回復期に、医師とよく相談したうえで判断するようにしましょう。例えば退職したとして、次は「新しい職場を探さなければならない」という負担がのしかかる可能性もあります。総合的に判断するためにも、本人や家族だけで大きな決断を行うのは避けた方がいいでしょう。

まとめ

うつ病患者に重大な決断をさせないためには、家族がその言葉に動じないことも大切です。離婚したい、などと言われると心穏やかではいられません。それは患者本人の意思ではないと理解し、とにかく休息を優先させるようにしましょう。