うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の接し方

うつ病の正しい知識を持ち、
患者に
寄り添っていくために
その心構えをご提案します。

看病する人がうつ病に巻き込まれないために

■サポートの基本■

うつ病にかかると、患者は何に対しても前向きになれず、悪い考えばかりが頭を支配してしまいます。
そのため、医師が家族に看病をするよう指示することもあります。
うつ病患者を看病する人は、その憂うつな気分に引っ張られて気分が落ち込み、うつ病になってしまうリスクがあります。
うつ病になった家族を治してあげたいという気持ちは大切ですが、その気持ちが入りすぎると自分もストレスが溜まり、うつ病を発症してしまう可能性があるのです。
看病する側がうつ病にならないためには、どうすればいいでしょうか?

共感しないこと

うつ病患者と接する際には、とにかく話を聞いてあげることが大切だとされています。うつ病患者の多くは、胸のうちに大きなストレスを抱えているためです。しかし、うつ病患者は、ついついネガティブな内容ばかりを話してしまうこともあります。そうなると、話を聞いている方が滅入ってしまうかもしれません。

うつ病患者と接するときは、「気にしないでいいよ」「今はゆっくり休んで」といったような声掛けが重要です。しかし、話の内容に返答したりアドバイスをしたりすると、自分も同じ気分を共有してしまうことになります。また、安易な返答やアドバイスは患者にとってもさらなる負担となる可能性が高いので、避けた方がいいでしょう。“深入りしないようにすること”が重要です。

話を聞くときには、時間を決めてからにするといいでしょう。これはカウンセラーも実施している方法です。何も考えずうつ病患者の話を聞こうとすると、堂々巡りとなった話が中々終わらなくなることもあります。そうすると切り上げどきが分からなくなり、聞いている方もどんどん疲れてしまいます。長くても1時間程度に時間を定め、そこで話を終えるように進めることで、余計なストレスを溜め込まずに済むでしょう。

常に冷静であること

看病する側がうつ病にならないために特に気をつけたい時期は、患者の症状が回復に向かっているときです。

回復へ向かうごとに増えてくる傾向に、「日内変動」があります。これは、1日の中でも気分の変動が激しい状態を指します。少し調子が良い時間と、気分が落ち込んでいる時間を同じ日の中で繰り返してしまうものです。

うつ病症状が回復へ向かい、本人の気分も良さそうに見えたら周りとしては嬉しいことでしょう。しかし一時の回復を喜んでしまうと、日内変動により患者の気分が再度落ち込んでしまった際、それに引きずられてしまう可能性があります。うつ病は、症状が改善されたり悪化したりしながら、徐々に回復へ向かっていく病気です。そのことを理解し、家族などの周りの人は、常に冷静に状況を見つめるようにしましょう。

動揺しない心をつくる、マインドフルネス

「マインドフルネス」という、心を強く保つための思考法があります。「うつ病患者の話に引っ張られないで」といわれても、話を聞いていればどうしても引っ張られてしまうこともあります。そんなときは、マインドフルネスを試してみてください。

方法はとても簡単で、自分の感情に名前をつけていくだけです。うつ病患者の話や反応に動揺してしまったら、「この感情は”動揺”だ」と考えます。うつ病患者の煮え切らない態度にイライラしてしまったら、「この感情は”イライラ”だ」と考えます。同じように、「これは”恥ずかしさ”だ」「これは”悲しみ”だ」と名前をつけていきます。

さらに、動揺している自分が恥ずかしいと思ったら「これは”動揺している自分が恥ずかしい”という考えだ」という風に名づけを続けていきます。そうすることで自分を客観的に見下ろし、感情を冷静に見つめることができます。深呼吸も合わせることで、より感情を落ち着けることが可能です。

まとめ

うつ病患者と接するときは、以上の点に気をつけるようにしましょう。自分までうつ病になってしまっては、元も子もありません。うつ病は治る病気ですが、回復を焦ると逆に悪化する危険性もあります。自分の心のケアにも気をつけながら、根気強くサポートしていきましょう。