うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の接し方

うつ病の正しい知識を持ち、
患者に
寄り添っていくために
その心構えをご提案します。

うつ病最大の治療法―「休養」の正しい取り方

■サポートの基本■

うつ病は、何に対しても前向きな気持ちになれなくなる疾患であり、気分障害の一つに数えられます。
うつ病になってしまうと今まで当たり前のようにこなしていたことができなくなったり、好きだったはずのことも楽しいと思えなくなったりします。
そんなうつ病の症状を改善させるために、抗うつ薬による投薬治療や認知療法などが行われます。
それに加えて、患者をしっかり休ませることが非常に重要となります。
患者に十分な休息を取らせるために、周りはどのようなフォローができるでしょうか?

段階による休ませ方

うつ病と一口にいっても病状には段階があるので、患者の容態を見て、どのくらい休ませるのかを決定します。本人や家族の独断ではなく、医師の診断に従うことが大切です。

うつ病の症状は出ていても、仕事や勉強への意欲が完全には失われていないようであれば、仕事や学校を休まずに治療を行うことがあります。本人にまだやる気が残っている場合、無理に休ませることが「周りに迷惑をかけてしまっている」というマイナス思考につながる可能性があるからです。

うつ病の症状が強く、仕事や勉強に手がつかなかったり、憂うつな気分が長期間続いたりする場合は、自宅で療養することになります。最初は「何もできない自分に苛立つ」という症状が表れることもありますが、きちんと休ませることがうつ病の早期改善につながります。この場合は、ストレスをできるだけ排除した環境を整えてあげることが大切です。生活習慣を整えてあげることも効果的です。

うつ病の症状が悪化して患者が自殺を考えるようになったら、治療のために入院することになります。常に医療機関が監視していないと、本当に命を絶ってしまう可能性があるからです。

周り休める環境を整える

うつ病になってネガティブな考え方しかできなくなるのは、自律神経の乱れによるものと考えられています。うつ病患者は副交感神経よりも交感神経の方が優位になっている状態であり、緊張状態が続いています。体が休まっておらず、その疲労が思考を鈍らせ、正常な判断ができなくなっているのです。そのため、周りがしっかり患者のことを考え、心と体を休めることのできる環境を整えることが大切です。

家庭ができること

十分な休息のために最も大切なのは、家族の協力です。病院に付き添ったり、家事を分担したりして患者の負担を減らしてあげましょう。

なお、病状が改善しないうちは気晴らしに遊びに行くことも避けた方がいいでしょう。うつ病は楽しいことも楽しくないと思えるようになる病気なので、かえって患者のストレスを増大させてしまう可能性があります。基本的には見守る姿勢で、ゆっくりと回復するのを待ってあげましょう。

職場できること

従業員がうつ病になったら、産業医や外部のカウンセラーなどに相談し、仕事を休ませるかどうかの判断を行います。もし休ませることになれば、患者のケアは医師や家族に任せ、復帰してきたときの環境を整えておくようにしましょう。具体的には、その従業員に過度な負担がかかっていなかったかどうかを調べ、業務改善を行いましょう。

出勤しながら治療を行うことになれば、無理な仕事はさせず、きつそうであれば上司の方から早退を促すなどのフォローを心がけましょう。仕事ができないときに手助けしてあげるのはもちろん、何かできたことがあれば積極的に褒めてあげることも大切です。

学校ができること

うつ病は、周りの無理解により悪化することもある病気です。残念ながら今の日本の教育ではうつ病などの精神疾患はあまり触れられておらず、正しい理解が進んでいないのが現状です。教師が積極的にうつ病のことを生徒に教え、うつ病患者の負担となる叱咤の言葉やNGワードとされている「頑張れ」「元気になってね」などの言葉を浴びせないようにすることが大切です。

遅刻や早退をすることがあっても病気によるものだと理解し、本人のできないことを無理にさせないことが大切です。また、休学することがあれば、復学してきた際に無理をさせないような配慮をしましょう。

まとめ

周りがうつ病のことを理解し、患者をきちんと休ませることで、うつ病患者は回復へと向かっていくようになります。なお、うつ病は一度回復しても再発しやすい病気だということがいわれています。うつ病が治ったからといっていきなり以前の環境に戻すのではなく、本人が過度なストレスを感じないような環境づくりを継続してあげることが大切です。