うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の接し方

うつ病の正しい知識を持ち、
患者に
寄り添っていくために
その心構えをご提案します。

自殺したい、とうつ病患者に言われたときの対処法

■ケーススタディ■

うつ病を発症すると、自殺願望を抱いてしまうことがあります。
うつ病の患者には、「自分はこの世に存在する価値がない」「いなくなった方がみんな幸せになれるのではないか」などのマイナス思考がつきまといます。
そうした思いが積み重なり、死にたいという感情を抱くまで思い詰めるケースが多いのです。
もし、うつ病患者に「死にたい」と言われた場合は、どういった対応をすればよいのでしょうか。
患者への接し方に加えて、自分の精神面へのケアについても紹介します。

慰めるのではなく、話を聞く

うつ病を発症すると、「なんでできないの?」などの責める言葉が患者をどんどん追い詰めてしまうのはもちろん、慰めの言葉も逆効果になることがあります。「死にたいなんて考えないで前向きな気持ちを持って」「そう思うのは今だけだよ、きっと乗り越えられるよ」などといった慰めの言葉は、「周りの人に迷惑をかけている」という思いを強めるきっかけとなりえます。さらには「この人も私の気持ちなんてわかってくれない」と自分の殻に閉じこもってしまい、自殺願望をさらに強めてしまうかもしれません。

大切なのは、患者の話を聞いてあげることです。なぜ死にたい気持ちになるのか、どうしてそう思うようになったのか、その人が抱える悩みに耳を傾けることが、患者自身の気持ちを整理することにつながります。そして、その内容に共感してあげましょう。「そんな理由で自殺なんて」と思えるようなものでも、「自殺なんてしちゃいけない」よりは「辛かったね」と気持ちに寄り添うことが大切です。

なお、緊急性を要する事態であれば、無理に説得しようとはせずに「物理的に自殺を止める」ことを優先しましょう。できれば誰かに連絡を取り、複数人で対処した方がいいでしょう。

病院へ連れて行く

自殺したい、と打ち明けるほどになると、重度のうつ病だと考えることができます。うつ病はホルモンバランスの乱れにより自律神経が上手く働いていない状態だとされており、物事を全てマイナスに捉えてしまう特徴があります。そしてマイナス思考を重ねてしまうことで、「もう死ぬしかない」という結論しか見えなくなってしまうのです。話を聞いてあげることでその場は落ち着いたとしても、しばらくするとまた同じような自殺願望を抱く可能性があります。

そのため、できるだけ早く医師のところへ連れて行くことが必要です。もし初めて病院へかかるのであれば、精神科や心療内科を受診しましょう。自殺願望がよほど強いのであれば、医師の判断により入院することがあります。家にいると家族が寝静まっている間などに命を絶ってしまう危険性があるので、24時間の監視体制が必要となるのです。

自分の心のケアを忘れず

うつ病患者の話を聞いていると、聞いている人の気持ちが滅入ってしまうこともあります。自殺を考えてしまうほどの患者の悩みは辛いものばかりで、聞いている方も楽しい気持ちにはなりません。

そこで、「深入りしすぎない」姿勢を保つようにしましょう。うつ病患者の気持ちに寄り添いながらも、そのネガティブな気持ちからは一步引くことが大切です。うつ病患者の話を真剣に聞きすぎて気持ちが滅入ると、サポートする側までうつ病になってしまう可能性もあります。うつ病患者の助けになれるのは自分だけだ、と気負いすぎず、自分も他の人に気持ちを聞いてもらう、協力してもらうなどしてストレスを溜め込まないようにしましょう。

まとめ

うつ病患者に「死にたい」と言われた場合は、説教や慰めの言葉を投げかけるのではなく、とにかく話を聞いてあげることが大切です。そして自分一人の力で解決しようとせず、すぐさま医師に診察してもらいましょう。

うつ病患者と接するには患者の気持ちに共感してあげることが大切ですが、自殺願望まであるなら、入院など、物理的に自殺を止める対策も必要となります。きちんと薬を飲み続け、十分な休息を取れば、やがて自殺したいという気持ちも消えていくでしょう。