うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の種類

原因や症状の出方などによって
異なる、
うつ病の代表的な
種類についてご紹介します。

非定型うつ病

うつ病のなかでも最も患者数の多いものが大うつ病性障害と呼ばれるもので、これと気分変調性障害を合わせてうつ病性障害と呼びます。
しかし、最近ではこの枠に収まらない、新たなうつ病も目立つようになってきています。
その一つが、非定型うつ病です。ここでは、非定型うつ病の定義やその症状などについてご紹介します。

非定型うつ病の特徴

非定型うつ病は、一般的には新型うつ病とも呼ばれています。非定型という名前は、従来のうつ病を定型うつ病とした場合、その枠に収まらないことからつけられたものです。都市部を中心として患者の数は増えていて、特に20~30代くらいの女性に多くみられます。

非定型うつ病はうつ病の一種なので、まずはうつ病の定義に当てはまるかどうかを調べます。うつ病の診断には、アメリカ精神医学会が発行している「DSM」という診断基準を利用します。

  • 抑うつ状態
  • 興味喜びの喪失
  • 著しい体重の増減
  • 不眠、または過眠などの睡眠障害
  • 易疲労性(えきひろうせい)
  • 無価値感、罪責感
  • 思考能力の低下
  • 死について考える、自殺念慮

DSMでは、上記9つの大うつ病エピソードのうち、「抑うつ状態」と「興味喜びの喪失」のどちらかまたは両方、なおかつ5つ以上の項目にあてはまる場合「大うつ病性障害」として診断します。非定型うつ病の場合には、こういった症状があるものの、1日の特定の時間だけであったり、数日だけであったりと、散発的に症状が表れます。また、非定型うつ病を特定する大きな基準のひとつに、気分反応性があげられます。この症状については、次項で詳しくご紹介します。

非定型うつ病の症状

非定型うつ病の症状では、以下のようなものが代表的です。

抑うつ気分喜びの喪失

抑うつ気分や喜びの喪失はうつ病の典型的な症状であり、非定型うつ病の場合でもこういった症状はみられます。しかし、前項でも少し触れたように非定型うつ病の場合はその程度が軽く、散発的に症状が表れます。いわゆるプチうつ病のような症状です。

気分反応性

気分反応性は、非定型うつ病の基本症状だとされているものです。前述したように、うつ病では気分が沈んだり、楽しみや喜びを感じられないようになります。しかし、非定型うつ病の場合は自分の興味があることや好きなことを前にすると、抑うつ状態から回復します。このように、好ましいことがあると気分がよくなることを、気分反応性といいます。

会社や学校に行こうとすると疲労感から起き上がれず、自分の好きな趣味のためなら元気に出かけていけるといった矛盾が起きるため、周囲からは「怠けているだけ」と誤解を受けることが多いのも非定型うつ病の特徴です。

過眠、過食

うつ病の場合、不眠や拒食といった症状を訴える場合が多いですが、非定型うつ病ではこういった症状はあまり表れません。逆に、過眠や過食といった症状が表れます。過眠では、1日に10時間以上眠る日が3日以上みられるようになります。過食の場合は、特に甘いものを好んで食べることが多く、1カ月に5%以上体重が増加すると非定型うつ病の可能性があります。

拒絶過敏性

気分性反応に代表されるように、非定型うつ病は気分の浮き沈みが大きいうつ病です。その気持ちの反応の一つに、拒絶過敏性があります。拒絶過敏性の患者は、些細なことで深く落ち込んだり、塞ぎこんでしまいます。非定型うつ病の症状のなかでは、中核的な症状であるという見方もあります。

鉛様麻痺(なまりようまひ)

全身の倦怠感や疲労感も、うつ病では基本的な症状です。しかし、大うつ病性障害が倦怠感を強く訴えるのに対し、非定型うつ病では疲労感が強くでます。その結果、手足が鉛のように重く感じることがあるのです。これを鉛様麻痺といいます。

まとめ

非定型うつ病の患者は増加傾向にあり、現在ではうつ病患者のおよそ3割~4割が非定型うつ病だともいわれています。非定型うつ病はその症状が比較的軽度であることから、本人や周囲の人が認知しにくいものです。

浮き沈みが激しい気まぐれな人程度の認識をされていることも多く、うつ病とわからないままに人間関係が崩れてしまうことも少なくはありません。今回ご紹介した症状は典型的な非定型うつ病の症状であるため、少しでも当てはまる症状があった場合には病院やカウンセリングを利用するなど対策を立てましょう。