うつ病に効くオイル? 「えごま油」「亜麻仁油」の秘密 

脳がストレスを感じることで起こるうつ病。
カウンセリングや抗うつ剤での治療の他にも、「食事」という方面からアプローチする治療法が注目されています。
服薬治療のように副作用の配がなく、患者本人が主体的に関わっていける食事での治療法は、日本のみならず海外でも積極的に研究され、いくつかの食材は脳の働きに良く、うつ病の予防や改善に効果的であることがわかってきました。
今回は、そんな食材の中から「えごま油」や「亜麻仁油」についてご紹介します。

えごま油、亜麻仁油とは?

えごま(荏胡麻)とは、紫蘇科植物の一つです。料理でも馴染み深い青紫蘇とよく似た葉を持ち、インド高地や中国などが原産地とされています。葉の部分は日本ではあまり食べられませんが、えごまの種子を搾って作られたえごま油は、昔から人々の暮らしの中で利用されてきました。
撥水のために番傘に塗ったり、行灯用の油として江戸時代後期まで使われたりしていましたが、菜種油が一般的になるにつれてえごま油の使用率は減ってしまいました。その後はもっぱら東北地方の一部の伝統食として使われていましたが、近年になって健康や美容に良いということが明らかとなり、再び注目を集めています。

また、えごま油と同じ効果があるとされる「亜麻仁油」(あまにゆ)も共に人気が高まっています。亜麻仁油は、リネン素材の原料にもなる亜麻の種子から作られ、「リンシードオイル」「フラックスシードオイル」ともいわれます。

人間が体内で作り出せないオメガ3脂肪酸がカギ

えごま油や亜麻仁油は、「オメガ3脂肪酸」という脂肪酸で構成されています。このオメガ3脂肪酸には、体内でDHAやEPAに変換される「αリノレン酸」という成分が多く含まれます。DHAやEPAは脳細胞の材料とされ、弱った脳細胞の修復には欠かせない成分なのです。オメガ3脂肪酸は、人間が体内で作り出すことのできない「必須脂肪酸」で、食事から摂取する必要があります。

脳にストレスがかかると、ストレスに対処しようとした脳が交感神経のはたらきを高め、内蔵や筋肉を興奮状態にさせます。こういった状態が慢性的に続くと、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が過剰に分泌されてしまいます。コルチゾールが過剰に分泌されるようになると、脳細胞は萎縮し、弱ってしまいます。すると脳の機能が低下し、心の安定や正しい生体リズムを整えるセロトニンを分泌することができなくなります。こうして萎縮してしまった脳細胞とセロトニン不足によって、うつ病になってしまうことがあります。

先にも述べたように、DHAやEPAは、弱ってしまった脳細胞の修復に使われます。αリノレン酸を多く含んだえごま油や亜麻仁油は、うつ病の回復に一役買うことができるのです。また、αリノレン酸には血圧を下げ、血液の流れをよくするはたらきがあります。脳に血液がきちんと巡るようになると、脳細胞の修復や脳機能の回復の助けとなるのです。

タンパク質と一緒に生で摂取するのがポイント

αリノレン酸は熱に弱いので、えごま油や亜麻仁油を食べるときは加熱せずに使いましょう。サラダやオニオンスライスのドレッシングとして使うこともできますし、パンにつけるのもお手軽でおすすめです。

αリノレン酸は脳の神経同士のつながりを強めるタンパク質と一緒に食べるとより効果的です。タンパク質の豊富な魚や豆腐、卵といったものと一緒に食べるといいでしょう。大豆の発酵食品である味噌を使った味噌汁には、脳の機能を維持、改善してくれるレシチンが多く含まれています。お椀によそったお味噌汁にえごま油や亜麻仁油を1滴垂らすだけでも、うつ病への効果が期待できます。

まとめ

αリノレン酸を豊富に含んだえごま油や亜麻仁油は、脳細胞の萎縮からくるうつ病の回復に役立つ食品です。小さじ1杯のえごま油で1日に必要な量のαリノレン酸を摂取することができるので、毎日の食卓に気軽に取り入れることができます。
αリノレン酸が変化するDHAやEPAは血中のコレステロール値を下げる効果があり、生活習慣病の予防やアレルギーを抑制することもできます。しかし、αリノレン酸の過剰摂取は逆にアレルギーをもたらしたり、大腸がんを誘発する危険性があるので注意が必要です。1日の必要摂取量を守って、体に必要な分量を摂取するようにしてみてください。

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