うつ病への無理解が症状を悪化させる!大切な人を守るために正しい知識を身につけよう

うつ病になると、脳機能の低下からこれまで何気なくできていた仕事や家事ができなくなってしまうことがあります。しかし、周囲の人にとってはうつ病によるものなのか、怠けているだけなのか判断しにくいことも多いのです。周囲の人のちょっとした言動がうつ病の悪化を招くこともあります。

 

追い込まないためにも、身近にうつ病の人がいたら正しいうつ病の知識を身につけることが大切です。ここでは、うつ病の症状や治療法、周囲の人の対応法などについて説明します。

 

 

怠けているだけ?うつ病が健常者に理解されない理由

うつ病は、風邪などのように周囲からそれと分かる症状が見えにくいものです。うつ病になってしまうのは、慢性的なストレスなどにより脳の機能が低下してしまうことが原因とされています。脳機能の状態を判断するのは周囲の人にとっては難しく、「今までできていたのに、どうしてできないんだろう」「怠けているだけでは」と、認識されてしまいがちです。

 

また、これまでのうつ病は主に働き盛りの中高年男性に見られ、仕事だけではなく趣味などの好きなことに対しても意欲が湧かなくなるのが特徴的でした。しかし、新型うつ病とも呼ばれる非定型うつ病は、若い女性に多くみられ、嫌なことをするときや夜1人になったときに抑うつ症状が現れるという特徴があります。

 

そのため、仕事はできなくても遊びに行くことは可能で、周囲から「仕事をしたくないだけ」「遊びたいだけ」と誤解を招きやすい傾向があるのです。これは患者本人にとっては「できることを少しずつ増やしていく」という治療の上で必要な過程です。

 

うつ病の治療のためには、ストレスなく休養をとることが非常に大切です。周囲の目が気になって精神的葛藤を引き起こし、症状が悪化してしまうことも少なくありません。

 

 

身近な人がうつ病になってしまったら?うつ病への理解を深めよう

 

もし身近な人がうつ病になってしまったら、まず理解を深めることから始めましょう。家族や周囲の人がうつ病を理解しないまま治療を継続しても、なかなか効果が期待できないばかりか、これまで築いてきた信頼関係を壊してしまう可能性があるためです。

 

また、うつ病を治療する上で最も重要とされる休養も、周囲の病気への理解がなければ患者本人のストレスと焦りを増長させ、症状の悪化に繋がる可能性があります。

 

うつ病の人へ接するときは、「頑張って」「いつまで怠けているの」など、励ましの言葉や患者本人を攻める発言をしてしまいがちです。しかし、これらの言葉は焦りや孤立感を強めて病気を悪化させる原因になります。患者本人が一番「早く以前のように生活できるようになりたい」と考えているのですから、そっと見守り安心して治療に取り組める環境作りに協力しましょう。

 

周囲にうつ病の人がいる場合、最も気をつけなければいけないことは自殺のサインを見逃さないことです。本人の希望ではなくても、うつ病により「もう生きていられない」と思い込み、自殺してしまう人は少なくありません。自殺の前には「死にたい」などの発言をしたり、身の回りの整理を始めたりするといった行動が見られるほか、無茶な飲酒や向こう見ずな行動などが見られる傾向があります。もし普段と異なる行動が見られたら、すぐに主治医に相談するように心がけましょう。

 

 

うつ病の代表的な症状とは?当てはまるものがあれば病院で相談を

うつ病は、脳内神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどの分泌量が減少して脳機能が低下し、情報伝達に支障を生じた状態です。そのため、感情や食欲、睡眠、自律神経のコントロールなどに影響が現れ、不眠や食欲不振といった体の症状が現れ始めます。

 

また、慢性的な倦怠感や頭痛、首や肩の凝り、息が詰まるような胸の苦しさなど、人によって様々な症状に悩まされることも少なくありません。それと共に、慢性的な気分の落ち込みや憂鬱感、意欲や興味・関心の低下、集中力・判断力の低下といった心の症状も現れ始めます。

 

このような心の不調はいつ誰にでも起こりうるものですが、通常は2〜3日もあれば次第に回復していきますし、趣味に打ち込むことで憂鬱な気分が一気に解消することもあります。しかし、うつ病の場合は、このような憂鬱な状態が2週間以上継続し、好きなことに打ち込んでも気分が晴れることはありません。

 

体や心の症状が慢性化し、その症状により仕事や家事などに支障が現れているようであれば、うつ病の可能性が高くなります。もし、これらの症状に心当たりがある場合は、できるだけ早めに心療内科などの専門医を受診し、自分の状態について相談するようにしましょう。

 

うつ病は早期治療が大切!まずはしっかり休養を取ろう

 

うつ病は、一般的に放置期間が長ければ長いほど回復するまでに時間が必要になるといわれています。うつ病が初期の段階では、「自分はまだ大丈夫」と症状を放置してしまいがちですが、早期に発見し治療を始めることが、周囲の負担の軽減にも繋がるのです。

 

心療内科などの専門医を受診し、問診などの結果からうつ病と診断されると主に休養と薬物治療により治療が進められます。とくに、疲弊した心と体の機能を取り戻すためにも、休養はうつ病治療で最も重要な要素です。

 

しかし、うつ病患者の中には休むことに対する罪悪感やなにかをしなければならないという焦りのために、十分な休養をとることができない人もいます。その場合は、軽症であっても一度入院をして治療に専念するという方法が選択される場合があります。

 

薬物治療に主に用いられるのは、抗うつ薬です。それと共に、症状にあわせて睡眠導入薬や抗不安薬、気分安定薬といった薬剤が併用されます。抗うつ薬の効果は10日〜4週間で現れ、3カ月ほど服用を継続すると気分が安定してくる人が多いようです。

 

しかし、うつ病は症状の改善と悪化を繰り返すことが多い病気で、少し状態が良くなったからと自己判断で服用を中止すると再発や慢性化のリスクを高めてしまいます。抗うつ薬は医師の指示がある期間は用法用量を守って服用を継続し、中止や減量を希望する場合は必ず医師に相談するようにしましょう。

 

また、抗うつ薬服用中に副作用と思われる症状が現れたら、その都度医師に相談することも大切です。抗うつ薬は数種類あり、その薬の種類によって体にあわない場合があるためです。

 

休養と薬物療法に加え、医師が必要と判断した場合は認知行動療法などの精神療法が行われます。これは医師やカウンセラーなどとの対話を通して問題解決の糸口を模索していく治療法で、うつ病のぶり返し予防に効果がある方法です。また、うつ病の人によく見られる否定的な思考パターンを改善していく効果も期待できます。

 

うつ病の治療には時間がかかるケースも多いですが、焦らず少しずつ回復に向けて取り組むことが大切です。治療中は心と体を休めることに専念し、決断が必要なことは先送りするように心がけます。うつ病中は考え方が否定的になっているため、退職や離婚、退学といった人生を大きく左右する決断をして後悔することも多いのです。

 

心と体に負担をかけることを避け、自分にできることからゆっくりと取り組み、規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事をとっていれば、次第にうつ病は回復していきます。医師と相談しながら、自分のペースで焦ることなく治療を進めていくようにしましょう。”

関連記事

おすすめ記事