会社がうつ病の原因になることも!我慢せずに退職することも選択肢の1つ

仕事が原因でうつ病を発症して仕事の継続が難しくなった場合、退職せざるを得ない状況になるケースは少なくありません。ここでは、うつ病により退職する際の流れや仕事によりうつ病になってしまう原因、スムーズに退職するためのポイントなどを紹介します。

うつ病は、いつ誰にでも起こりうる病気です。いざというときに困らないよう、しっかりと知識を身につけておきましょう。

うつ病で退職する際の流れと必要な手続き

退職の手続きは就業規則により、退職予定日の1カ月程度前までに届けるよう定められていることが多いです。退職の意思表明は郵送やメールでも行えますので、上司などに早めに相談しておきましょう。

また、退職には自己都合と会社都合の2種類があり、業務外の理由によりうつ病を発症した場合は自己都合退職となります。一方、パワハラや長時間労働など、うつ病発症の原因が会社にある場合は、会社都合退職が適用されます。会社都合退職の場合、失業保険の給付日数が長くなったり給付までの待機日数が短くなったりするなど、メリットを受けられる場合があるのです。

ただし、会社都合退職の場合は、会社と退職理由を争う可能性も出てきます。そのため、会社都合退職を主張できる証拠を準備しておくことが大切です。

会社を退職後は、健康保険、厚生年金、雇用保険の変更手続きが必要になります。健康保険は、国民保険への加入、社会保険の任意継続、家族の健康保険の扶養者になる、の3つの中から選択します。

厚生年金は、退職後に国民年金に切り替えなければなりません。市区町村役所の、国民年金窓口で変更手続きを行いましょう。なお、退職の場合は国民保険料免除制度を利用できる場合があるので、早めに申請した方がよいかもしれません。

退職後、再就職の意思があるにも関わらず就職先が見つからない場合、雇用保険の失業給付金を受給できます。うつ病によりすぐに就職はできない場合でも、再就職の意思があれば受給できますし、病気を理由に受給期間を延長することもできます。

また、基本手当受給までには、待機期間があります。退職時に会社から渡される雇用保険被保険者証と雇用保険被保険者離職票を持参し、退職から1カ月以内に管轄のハローワークで求職の申し込みと基本手当の申請を行うようにしましょう。

仕事が原因でうつ病になってしまうのは何故?

仕事が原因でうつ病になってしまう原因は、大きく3つに分けることができます。最も多い原因が、月100時間を超えるような長時間の残業です。2つ目は、普通の生活を送ることすら難しいほどの低賃金が挙げられます。

どれだけ働いても生活が楽にならず、働く意欲だけでなく生きる意欲まで失ってしまうのです。これらに該当する場合、時給換算で最低賃金以下、残業代や休日手当の未払いなど、違法な労働条件となっている可能性もあるので、早めに退職を検討するようにしましょう。

3つ目は、職場内でパワハラやいじめにあっている場合です。物を投げつけられる、たたかれるなどの身体的ないじめだけではなく、無視や不当な説教など精神的ないじめもうつ病を発症する原因となります。

また、就業時間内に終わるはずのない過剰な仕事量といった過大要求、仕事を与えられなかったり簡単な仕事ばかりやらされたりする過少要求などもうつ病を発症する大きな原因です。

このほか、有給の理由を聞かれたり、プライベートに踏み込んだ質問をされたりする個の侵害行為によりうつ病を発症する場合もあります。どれだけメンタルが強い人であっても、精神的・肉体的に追い詰められる状態が慢性化していては、いつうつ病を発症してもおかしくありません。自分のこころを守るためにも、退職を決めたらできるだけ早く準備を進めましょう。

スムーズな退職のポイント

うつ病で退職するときは、できるだけ周囲の人に迷惑をかけずにスムーズに退職できるよう準備を進めておくことがポイントです。まず大切なことは、退職希望日の1ヵ月前までに退職の意思を上司に伝えておくことです。退職にあたり、引き継ぎや後任者の確保をするための時間的余裕を作るようにしましょう。

ただ、うつの状態が悪く、医師からすぐに休職または退職するよういわれている場合は、医師の診断書を用意することで1ヵ月よりも早く退職できることもあります。上司に退職の相談をする際に診断書を提示し、退職時期などについて相談しましょう。

このとき、うつの原因のほかに、退職になる理由も自己都合か会社都合かを決める要素になります。例えば、退職を自分自身で判断している場合は自己都合退職となりますが、うつ病ではあっても「配置換えにより勤務継続が可能」「休職後復帰できる可能性がある」と伝えたうえで、会社から退職勧告を受ければ会社都合とすることができます。

会社は従業員の病気を理由に解雇することはできませんので、会社都合退職にしたい場合は上司への交渉内容も事前に検討しておきましょう。

退職後はうつ病治療を最優先!制度の活用も検討しよう

うつ病で退職したら、まずはうつ病治療に専念することが大切です。うつ病の治療では、ストレスをなくして休養することと共に、薬物治療や精神療法により治療を進めていきます。うつ病の治療の進め方は個人差が大きいため、医師やカウンセラーなどとしっかり相談しながら焦らず治療を施していきましょう。

とくにうつ病は、改善と悪化を繰り返しながら少しずつ治っていく病気であるため、状態が良いときには自己判断で薬の量を減らしたり、服用を止めてしまったりしがちです。

しかし、このような行為はうつ病の悪化や副作用の発現リスクを高める要因となるため、絶対に避けなければなりません。どんなときも、医師などと相談しながら治療を進めることを念頭に置くようにしましょう。

退職後、金銭的な不安から満足に通院治療を受けられない場合は、精神科自立支援医療制度の活用を検討してみてください。精神科自立支援制度を利用すると、医療費の自己負担が1割になるため金銭的な負担を大きく抑えることができるのです。精神科自立支援医療制度は、管轄地域の保健所で申請手続きを行うことができます。

うつ症状が快方に向かって働く意欲が出てきたら、少しずつ生活リズムを戻して体力をつけるようにしていきましょう。いきなりフルタイムの仕事を探すのではなく、短時間のアルバイトから始めたり、病院で行われている復職支援制度を利用したりするのもよい方法です。

うつ病で退職せざるを得なくなっても、またそこからいくらでもやり直すことはできます。焦らず、自分のこころとからだを守ることを第一に考えるようにしましょう。

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