幻聴が聞こえる!これはうつ病の症状?

うつ病にかかると、いろいろな症状がでてきます。落ち込みや意欲低下をはじめ、食欲がなくなったり、泣きたくなったりとその症状はさまざまです。これらの症状だけでなく、幻聴が聞こえる場合は注意する必要があります。

それは、幻聴はうつ病の典型的な症状とは異なるため、幻聴を伴う状態であれば他の精神疾患や器質性疾患の可能性が高くなってくるからです。

 

幻聴ってどんな症状を言うの?

幻聴とは、近くに誰もおらず、本来声が聞こえるはずがない場面で声が聞こえる症状をいいます。幻聴があるときに注意すべきことは、その声が実際に聞こえているのか、それとも聞こえる気がするだけなのかということです。

 聞こえてくる内容や声の性質も大事です。幻聴の内容には、自分に指示をしてくるものや自分を否定してくるもの、自分の行動を否定するもののほかに、励ましてくれるものもあります。声の性別も大事で、男性の声か女性の声か、あるいはよくわからないのかを注意すべきです。時には、幻聴が知り合いの声だとはっきりわかることもあります。

 声が聞こえることによって生じる気持ちも重要です。幻聴がおそろしく感じるかそうでないかは、その幻聴を治療の対象とするかどうかの大きなポイントです。声にそそのかされて何らかの行動につながってしまうこともあります。その行動は自分や他人を傷つけるものになることもしばしばで、この場合も治療対象となる幻聴と判断されます。

 

幻聴ってどんな病気で聞こえるの?

幻聴がある場合、さまざまな要因が考えられます。そのため、自分がどんな症状なのかを知ることが重要なのかもしれません。

 

・統合失調症

この病気では、おそろしい気分や不安、周りの世界が変化してしまい、切羽つまったような感覚を伴う幻聴が聞こえます。

統合失調症の好発年齢は、10代後半から20代です。統合失調症の幻聴では、自分の行動を批判したり、人を傷つけるようにそそのかしたり、自殺をあおったりする内容の幻聴が多くみられるといわれます。

 幻聴は病的体験といわれるものの一種ですが、これは当事者にとって著しい恐怖を与え、幻聴が持続することで大きなストレスを生み、結果として気分のおちこみなど、うつ病に似た症状がおこることがあるのです。

 

・心的外傷後ストレス障害(PTSD)

心に大きなダメージを与えるような出来事(トラウマ)を経験したことがあると、そのときの体験がよみがえり幻聴となることがあります。この場合の幻聴は、短いフレーズが聞こえてくるという性質のものも多くなります。PTSDではフラッシュバックという現象が起こることがあります。

これは、トラウマを受けた場面があたかもビデオテープが再生されるようにありありと思い出される症状です。フラッシュバックでは幻聴だけでなく、幻視を伴うこともしばしばあります。このフラッシュバックによってパニックを起こし、とてもつらい思いをする人も少なくありません。

 

・薬物・アルコール使用障害

麻薬やアルコール、シンナー、覚せい剤などを使用すると、幻聴が聞こえることがあります。さらに、これらを使用してからある程度の時間がたった後に、幻聴が聞こえるようになることもあります。

 

・発達障害

発達障害はコミュニケーションの障害、想像力の障害、社会性の障害などが中核症状として現れますが、これらは当事者が人生を送るうえで大きなストレスのもとになります。発達障害に伴って生じる精神症状を二次障害と呼び、これが精神科医療の対象となることも多くなっています。

 

・認知症

高齢者で新たに出現した幻聴では、認知症の可能性も考える必要があります。レビー小体型認知症という病気では幻聴の症状が出ることがあります。この疾患では慢性的に進行する認知機能低下のほか、不安や抑うつ、幻視、幻聴など様々な精神症状を伴います。

 

うつ病の他にも精神の病気はいろいろ

精神科疾患にはうつ病の他にもたくさんの病気があります。不安障害や統合失調症、パニック障害、PTSDなど、いろいろな病気の可能性を考えながら、医師は診断・治療をしていきます。気分の落ち込みや意欲の低下など、うつ病でみられがちな症状がこれらの病気に伴って出現することも稀ではありません。うつ症状があるからといって、一概にその人がうつ病であるとはいい切れないのです。

うつ病に見られる症状に伴い幻聴がある場合は、統合失調症やPTSDの症状として、あるいは薬物の使用などによって幻聴が生じていると考えることが多くなります。ただし、これらの病気にうつ病が併発していることもありますから注意が必要です。

 

幻聴が聞こえる場合、うつ病以外の病気があるかも

幻聴は、うつ病の症状としては考えにくいものなので、幻聴が聞こえる場合はうつ病以外の疾患の可能性が疑われます。統合失調症やPTSD、薬物使用に関わる障害、一部の認知症など、幻聴が聞こえる疾患はたくさん考えられます。

その一方で、これらの病気に伴った症状として、気分の落ち込みなどのうつ的な症状が生じることも多い点にも注意する必要があるでしょう。

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