腹式呼吸で自律神経を整え、うつ病を改善

うつ病治療のためには、自律神経を整えることが有効であるとされています。
うつ病治療に使われる抗うつ薬は脳内伝達物質セロトニンを増やし、そのセロトニンの働きにより自律神経のバランスを整えます。
自律神経を整える効果は抗うつ薬だけではなく、“呼吸”によっても得ることができます。
呼吸は自律神経に深く関係しており、特に腹式呼吸はうつ病を改善に向かわせる効果があるとされています。
ここでは、腹式呼吸の効果や方法についてご紹介します。

うつと呼吸は関係が深い

まずはうつ病と自律神経について、簡単にご説明します。

人間の1日のサイクルは、交感神経と副交感神経の2つの自律神経が交互に活性化することで作られています。眠るときには副交感神経が活性化し、体をリラックスさせて疲れを取ります。起きるときには交感神経が活性化し、体を興奮状態にさせて日中に活動できるようにします。

ところが、うつ病患者はこの自律神経のバランスが崩れているといわれており、ほとんどは副交感神経が上手く働かず、疲れがしっかり取れない状態にあります。自律神経のバランスが崩れて体が休息を取れないと、心も休まらず、うつ病へつながってしまうと考えられているのです。

自律神経は、他にも重要な役割を担っています。それは、脳の命令では動かせないところ、例えば胃や腸などの内臓に命令を送り、動かすというものです。基本的に、脳と自律神経はきちんと役割分担をしています。しかし、呼吸だけは脳と自律神経の両方の影響を受けることになります。

私たちは普段から、意識をしなくても呼吸をしています。これは自律神経が働いているためです。一方、意識して深呼吸をすることもできます。これは、脳が命令を送っているためです。

このように、呼吸と自律神経は直接つながっているため、呼吸をしっかり整えることで、自律神経のバランスも自ずと整うことになります。自律神経のバランスが整えば、きちんとした心身の疲労を解消することができ、うつ病を改善できると考えられています。そのため、うつ病と呼吸は関係が深いといわれているのです。

猫背・浅い呼吸を複式呼吸で改善する

ただ呼吸を意識するのではなく、腹式呼吸を行うことでうつ病の改善を期待することができます。腹式呼吸が良い理由は、2つあります。

一つは、腹式呼吸をすると酸素を多く取り込むことができるという点です。
うつ病患者の多くは、浅い呼吸をしているといわれています。呼吸が浅いと酸素を上手く取り込むことができず、脳が上手く働きません。そのせいでホルモンバランスが乱れ、自律神経にも影響を及ぼします。
呼吸が浅いのは、常に背中を丸めて下を見ていることが大きな原因です。腹式呼吸を行うことで姿勢を正すことができ、酸素を多く取り込めるようになります。十分な酸素は脳を活性化させ、うつ病の原因とされる自律神経の乱れを改善させることができます。

もう一つは、自然治癒力を高めることができる点です。
腹式呼吸は、横隔膜を使います。横隔膜を上下させると、肺だけでなく胃や腸などの下の内臓も動かすことができ、内臓が活性化することで血流が良くなります。血流が良くなれば白血球などの免疫細胞が働くようになり、自然治癒力が高まる、という仕組みです。自然治癒力が高まると体が元気になり、うつ病になりにくい体を作ることができます。

腹式呼吸の実践はうつ病のどの段階でも効果あり

それでは、腹式呼吸の方法をご紹介します。まずは足を肩幅に広げ、お腹に両手を当て、顎を少し上げましょう。こうすることで、深く呼吸ができるようになります。肩の力を抜いてリラックスしたら、へそを意識し、お腹を膨らませたりへこませたりしながら深呼吸を行いましょう。長さや回数は自分なりの基準で大丈夫ですが、長く息を吐きすぎて苦しくならない程度に、10回ほど行うのが目安です。

腹式呼吸を行うタイミングにも、決まりはありません。ただ、朝起きた直後と寝る前に行うと、自律神経の切り替えをスムーズに行えます。うつ病のどの段階でも有効とされる対処法です。

まとめ

このように、腹式呼吸を毎日続けることで、うつ病改善の効果が期待できます。腹式呼吸を行う際の姿勢を日中でも意識することで、さらに呼吸を改善することができます。最終的には、普段から無意識で腹式呼吸ができるようになるのが理想です。うつ病を予防・改善するために、腹式呼吸を試してみてください。

関連記事

おすすめ記事