その息苦しさはうつ病が原因? 腹式呼吸で改善を!

うつ病患者の中には、呼吸がしにくく息苦しいという症状を訴える人がいます。
そういった人たちが最初に頼るのは、呼吸器科であるのが一般的です。
ですが、呼吸器の異常ではなくうつ病が原因であるという場合、呼吸器科で「異常なし」という結果を出されることも少なくありません。
うつ病患者の息苦しさは、自律神経のバランスが乱れていることによって引き起こされている可能性があります。
今回は、自律神経と息苦しさの関係や、リラックスするための呼吸法についてご紹介します。

活動には交感神経、休息には副交感神経が働く

 自律神経とは「交感神経」と「副交感神経」の2つで構成されている神経系のことを指します。体のさまざまな機能を調節するはたらきがあり、体が活動しているときと休息しているときでそれぞれ別の神経が活発にはたらきます。

交感神経は、体が活動しているときに活発に活動する神経です。全身に血液が渡るよう、心臓や気管支の機能を活発にさせ、血管を収縮させます。また、視界をはっきりさせるために瞳孔を拡大させ、神経を興奮させて感覚を研ぎ澄ますためにアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を促します。こういった役割から、交感神経は「闘争と逃走の神経」と呼ばれることもあります。

副交感神経は、体が休息状態でリラックスしているときに活発に活動する神経です。心臓の機能を抑制し、筋肉や血管を緩ませて栄養や酸素を体中に巡らせることで体の修復を行います。また、副交感神経は食事中にも活発に活動します。胃酸や唾液の分泌、腸の運動を促進して消化と吸収を手助けしてくれるのです。また、副交感神経はアドレナリンの分泌を抑え、体を休息させるためにセロトニンの分泌を促すはたらきがあります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、体の沈静化や睡眠、生体リズムを整えるなど大切な役割を持つ神経伝達物質です。

体の活動と休息でバランスをとっている自律神経ですが、うつ病になってしまうと交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい、それが体の機能や呼吸法にまで影響を及ぼしてしまうことがあります。

ストレスによる自律神経の乱れが呼吸器の疾患を呼ぶ

脳は、ストレスを生命の危機とみなし、いつでも逃走、または闘争できるように体を調整しようとします。つまり、生命の危機から逃れるために体が活動する準備を始めるため、交感神経のはたらきが優位になってしまうのです。
それゆえ、あまりにストレスが強いと、本来リラックスすべきときにまで交感神経がはたらいてしまうことがあります。そうなると、副交感神経が行うはずの体の修復が行われずに体が疲れたままになってしまうのです。交感神経のはたらきが過剰になると、心臓や気管支に負担がかかり、息切れや過呼吸症候群が起こってしまうこともあります。

自律神経と呼吸には密接な関係があります。うつ病患者の中には、上手く呼吸できないことがストレスになり、自律神経のバランスがさらに崩れてしまうという悪循環に陥ってしまうケースもみられます。呼吸が原因のストレスは、カウンセリングや服薬よりも、呼吸法を変えることが治療への近道となります。

交感神経を活発にする胸式呼吸と副交感神経を活発にする腹式呼吸

呼吸には、腹式呼吸と胸式呼吸があります。

腹式呼吸は、横隔膜を大きく使う呼吸法です。息を吸うとお腹がふくらみ、息を吐くとおなかがへこみます。オペラ歌手が歌うときの呼吸や、ヨガの呼吸法などはこの腹式呼吸を用いています。

胸式呼吸は、肋骨や肩があがる呼吸法です。肋骨の間の筋肉や首の筋肉を使って呼吸するため、肩や首に力が入りやすくなってしまいます。現代人は無意識のうちに胸式呼吸をしてしまっている人がほとんどであるといわれています。なお、うつ病患者を始め、精神疾患を患っている人は胸式呼吸になっていることが多いといわれています。

筋肉を使う胸式呼吸は体を緊張させ、交感神経を活発にさせてしまいます。リラックスしたいときは、腹式呼吸に変えることで副交感神経の活動を促すといいでしょう。

うつ初期から重度の人まで効果がある呼吸法改善

呼吸法の改善による効果は即効性があるわけではありませんが、初期から重度のうつ病までまんべんなく効果を発揮します。普段の呼吸をちょっと見直すだけ、と考えてみてください。ただし、無理に「改善しなくては」、「正しい呼吸法をしなくては」と捉えてしまうのは逆効果。自分にできる範囲で、気軽に実践してみてください。

まとめ

自律神経と呼吸は、深く関わりあっています。普段何気なく行っている呼吸ですが、体を緊張させてしまっていることもあるのです。体の緊張によって、肩や背中の筋肉が凝ってしまうこともあります。整体師や医師に現在の状態を伝え、正しい姿勢やリラックスできる呼吸法を指導してもらうのも、うつ病治療の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

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