うつとアルコールの連鎖を断ち切る生活習慣

なんだかやる気が出ない、嫌なことばかり思い出す……。
気分が落ち込んでしまうと、ちょっと気分転換がしたくなるもの。
気のおけない仲間と飲むお酒は楽しい気分にさせてくれますが、だからといって飲みすぎてしまうと体にも心にもよくありません。
特にうつ病患者の心身に、アルコールは大きく影響してしまいます。
今回は、アルコールがうつ病患者に与えるさまざまな影響と、断酒のために改善しておきたい生活習慣のポイントについてご紹介します。

飲酒がうつ病に与える影響

抑うつ気分に捉われると、無気力感や倦怠感にさいなまれるようになってしまいます。また、不眠や中途覚醒といった睡眠障害があらわれてしまうと、情緒の安定にも影響が出てしまいます。
そういった気分を払拭するために、うつ病患者が手を出してしまいがちなのがお酒です。お酒は気分を高揚させ、嫌なことを一時的に忘れさせてくれます。
しかし、アルコールが体から抜けたあとは、却って大きな虚脱感におそわれてしまうもの。心にぽっかりと穴が空いたような気分になり、その穴を埋めるためにまたお酒に手を出してしまうと、アルコール依存症になる可能性もあるのです

アルコールには、うつ病治療に用いる抗うつ剤の効き目を薄くしてしまうという指摘もあり、服薬治療の妨げになってしまいます。
また、アルコールを長期間に渡って摂取し続けることによって脳が萎縮してしまうリスクも指摘されています。脳が萎縮してしまうと脳細胞も弱まってしまい、自律神経やホルモンバランスが崩れてうつ病の悪化につながる恐れがあるのです。
健康な人の適度な飲酒であれば問題はなくても、うつ病患者には悪い影響となってしまうことがあるので注意が必要です。

うつ病を改善するために断酒する

うつ病患者が断酒するためには「お酒のことを考える時間を作らないこと」が大切です。具体的な方法を見ていきましょう。

毎日の適度な運動で体を動かす

家事や散歩で体を動かし、夜には適度に疲れている状態にしましょう。家でじっとしていると、嫌なことやお酒のことを考えてしまう可能性が高まります。体を動かすことはリフレッシュにつながり、心地よい気持ちで眠りに就くことができます。

寝酒をやめる

なかなか寝付けないために入眠剤代わりにとお酒を飲んでしまうと、それが睡眠の質を下げる原因になることがあります。お酒を飲むと眠りに入るまでの時間は短くなりますが、アルコールが体内で分解されるときに発生するアセトアルデヒドはレム睡眠(深い眠り)を阻害し、ノンレム睡眠(浅い眠り)を長く続かせる原因となってしまいます。ノンレム睡眠が続くと、途中で目が覚めてしまう中途覚醒や、睡眠時間が十分ではないのに早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒が起こることも。
また、お酒と睡眠導入剤を同時に服用することは大変危険です。両者が強く作用し合い、めまいや脱力、記憶障害を引き起こしてしまうのです。大きな事故に繋がる危険性があるので、絶対にやめましょう。

入浴時にゆっくり湯船につかる

ストレスを軽減し、リラックスする方法の一つとして、入浴があります。ぬるめのお湯(38℃~40℃)にゆっくり浸かりましょう。気温が下がる冬には41℃のお湯でも効果があります。
ぬるめのお湯につかると脳の副交感神経が刺激され、体がリラックスした状態になるのです。42℃以上の熱いお湯では脳の交感神経が刺激され、体が緊張状態になってしまうので、リラックスしたいときは避けましょう。
お気に入りの入浴剤があれば、湯船に入れてみてもいいでしょう。自分の好きな香りが副交感神経を刺激し、寛ぐことができます。

水分補給を忘れない

のどが渇くと、ついつい我慢できなくてお酒に手を伸ばしてしまいがちです。しかし、お酒を飲んで体内でアルコールが分解されると、同時に体から水分も失われてしまいます。
また、アルコールには利尿作用があり、尿として排出されるものも含めると、かなりの量の水分がアルコールによって失われてしまいます。アルコールによるのどの渇きを解消するために、さらにお酒を飲んでしまうという悪循環に陥りかねません。入浴後や外出後は、水やお茶で適度に水分補給をして、お酒が欲しくならないように心がけましょう。

まとめ

適度な飲酒は気分転換に効果的で、ストレス発散の役割もあります。しかし、過度な飲酒は逆効果です。
アルコール依存症になってしまうと気分が不安定になり、逆にストレスになってしまうことも。それが原因でうつ病になり、うつ病の苦しみから逃れるためにまたアルコールを…… こうなると、うつ病とアルコールの悪循環となります。
アルコール依存症からの脱却は、自分一人ではなかなかできません。一度、アルコール外来を受診してみてはいかがでしょうか。アルコール外来や支援団体など、自分にあった方法をみつけることで断酒のきっかけにできるかもしれません。

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