スキンシップを通して子供をうつ病から守る

うつ病は大人がなるもの、というイメージを持つ人はまだまだ多くいるというのが現状です。
確かに、うつ病につながる原因は職場における人間関係や仕事の辛さが多いとされていますが、子供でもうつ病にかかることはあります。
それどころか、思春期の子供のうつ病有病率は成人の有病率とあまり変わらないというデータもあるほどです。
また、子供の頃にどのような環境で育ってきたかがうつ病に影響する、という発表もあります。
ここでは、子供をうつ病から守るために効果的な「スキンシップ」について、紹介していきます。

母親の愛情不足で重大疾患恐れがある

子供の人格形成には、育ってきた環境や親の接し方が深く関わっているといわれています。多くの家庭では母親が子供に接する機会が多く、父親よりも母親の存在が重要とされています。これは逆にいえば、母親の愛情が不足すると子供に悪影響を与える可能性が高くなることを意味しています。また、愛情不足が重大疾患のリスクを増加させるといわれています。

アメリカの精神科医が、母親のスキンシップに関する実験結果を発表しています。発表によると、乳幼児期の子供から母親の接触を断つ「母性剥奪」を5カ月以上行うと、精神疾患や身体疾患のリスクが上がり、発育や知能の発達に悪影響が見られるようになりました。その疾患のなかにはうつ病も含まれ、「見捨てられた」という感覚や孤立感が抑うつ状態を引き起こすとされています。

スキンシップでセロトニンを増加させる

上記の実験から、母親から十分なスキンシップを得られた子供はうつ病リスクが少なくなるということができます。スキンシップがうつ病の予防に効果的である、という研究結果も多数あります。なぜ効果的なのかというと、スキンシップが脳内伝達物質セロトニンの分泌量を増加させるからだといわれています。
セロトニンは自律神経のなかでも特に副交感神経を刺激して身体をリラックスさせる効果があります。うつ病患者のほとんどはセロトニンが不足しているというデータがあるため、セロトニンを増やして身体をリラックスさせることがうつ病予防に効果的だとされているのです。

なお、スキンシップと一口にいってもさまざまなものがあります。具体的に子供とどう接したらいいかわからないのであれば、抱きしめたり手をつないで歩いたりしましょう。こういった行為にはセロトニン増加の効果があるといわれています。また、リズミカルな運動もセロトニンの分泌量を増加させるといわれています。抱きしめながら背中をトントンと叩いてあげることもうつ病を予防するのに効果的な方法なのです。

幸せホルモン・オキシトシンの増加でうつ病予防

別の理由からも、子供をうつ病から守るためにはスキンシップが有効だということができます。スキンシップはセロトニンを増加させるのとは別に、伝達物質オキシトシンの増加に効果があるためです。

オキシトシンは、親子や恋人、友人同士の触れ合いやスキンシップがあると分泌量が増え、脳を癒し、ストレスへの耐性を高めてくれます。そのため、幸せホルモンとも呼ばれています。オキシトシンはさらに、セロトニンの分泌を司る神経細胞と深く関係しているため、オキシトシンが増えるとセロトニンも一緒に増えるという特徴があります。そのため、親子のスキンシップがオキシトシンを分泌させ、さらにセロトニンを増やし、うつ病予防へつながっていくのです。

まとめ

このように、母親が愛情をそそぎ、しっかりスキンシップを取ることによって子供をうつ病から守ることができます。さらに、愛情を受けて育った子供は自律神経のバランスも整うというデータがあり、大人になってからもうつ病発症のリスクが低下するといわれています。
また、スキンシップは子供だけでなく、母親のうつ病リスクも低下させます。例えば背中をトントンと叩くことは、母親自身にとってもリズミカルな運動となります。さらに、子供を抱きしめることでオキシトシンが分泌され、母親の方も癒されます。家族みんながうつ病にかからず、健康に過ごすためにも、スキンシップを大切にしましょう。

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