あの人ほんとうにうつ病なの?微笑みうつ病の恐ろしさとは

うつ病といっても1つではなく、さまざまな種類があることがわかってきています。うつ病の種類によっては、罹りやすい性格や、気をつけなければいけない点などが違っていて、さまざまな研究がすすめられているのです。なかでも「微笑みうつ病」は周囲の人にうつ病であると気づかれにくいといわれています。今回は、微笑みうつ病について紹介します。

うつ病の発症の仕方はタイプによって異なる

うつ病といっても、そのあらわれ方は人によって違うことがわかってきて、うつ病に名前をつけて分類するようになってきています。微笑みうつ病はそのなかの1つですが、他にも「メランコリー型うつ病」「非定型うつ病」「仮面うつ病」「季節性うつ病」「産後うつ病」などがあります。

「メランコリー型うつ病」とは典型的なうつ病にあたり、真面目で仕事熱心な人が罹りやすいとされています。比較的、朝に気分の落ち込みが激しく、これまで楽しんできたことでさえも手につかなくなります。食欲は低下し、寝つきにくくなったり、早朝に目が覚めたりすることが多いです。

一方で、「非定型うつ病」は好きなことをするときには気分が晴れるという特徴をもち、食欲は増進することが多く、寝ても寝ても寝足りないという訴えが多くなります。

「仮面うつ病」は頭痛、動悸、胸の圧迫感、肩こりなどの身体的症状がうつ症状よりも強くあらわれて、うつ病であることに気がつきにくい特徴があります。

「季節性うつ病」はある季節になると、決まってうつ病を発症するタイプで、なかでも冬季うつ病がよく知られています。日照時間との関係が指摘されていて、冬が過ぎるとうつ症状も治まるのが特徴です。

「産後うつ病」はホルモンの変化に加えて、分娩の疲れや子育てのストレス、睡眠不足などが重なって発症するうつ病です。

うつ病は誰もが罹りうる病気です。いわゆる従来のうつ病とは異なるタイプのものも多く、発症の仕方から症状までさまざまであることがわかってきています。

微笑みうつ病の特徴とは?

微笑みうつ病の最大の特徴は、「周りの人には病気を抱えているようには見えない」ことです。その理由としてあげられるのは、微笑みうつ病に罹っている人は、心のなかは抑うつ状態であるのにもかかわらず、周囲に人がいると、気を遣って笑顔を絶やさない傾向にあるからです。微笑みうつ病の人は、1人でいるときは表情が暗く、落ち込んでいるのにもかかわらず、家族や仕事仲間が周りにいると、明るく振る舞おうとするのです。

うつの度合いとしては軽度であることが多いといわれていますが、自殺といった極端な方向へ考えが及んだ場合、実行にうつす余力があるだけに、危険という声も少なくありません。また、他人に対して悲観的な言葉を口にしないので、自殺に至ったときでさえも、周囲の人は「信じられない」と口にすることが多いといいます。

微笑みうつ病に多くみられる身体的症状

周囲に悟られないように抑うつ症状を抱えているのが微笑みうつ病ですが、抑うつ症状の他にも、身体的症状が比較的にあらわれやすいとされています。

まず、睡眠のトラブルを抱えている人が多く、不眠や寝起きの悪さが目につくことがあります。午前中にはエンジンがかかりにくい人も多く、仕事において何でもないミスを犯してしまうことがあるようです。

食欲にも変化があらわれることが多く、微笑みうつ病の人は低下する傾向にあります。友人との食事や同僚とのランチを断ったり、職場でもお昼を食べずに過ごすことが増えてきます。

他にも、便秘や下痢といった腹部症状を起こすことも少なくありません。デスクワークをしているからとか、運動不足だけでは説明できないような頭痛や肩こりに悩まされることもあるようです。

微笑みうつ病では周囲の人が少しの変化を見逃さないことが大切

一見すると、笑顔を絶やさないので、うつ病であるとわかりにくいのが微笑みうつ病なのです。しかし、よく観察すると、不安を抱えていそうだったり、言動にイライラしていたりするので、その変化を見逃さないことが大切です。また、うつ病というと、心の症状に目を向けがちですが、必ずしも症状が心に強くあらわれるとは限りません。実際に、微笑みうつ病は身体的な不定愁訴が比較的多いうつ病とされています。周囲にも気がつかれやすい症状は、食欲の低下でしょう。他にも、睡眠パターンに変化がみられたり、些細なミスを繰り返したりしていないでしょうか。やはり、いつもと違った様子がないかを観察することは大切です。

ただし、本人は周囲に心配されることを嫌がるケースが少なくありません。負けず嫌いの性格の人が多いともいわれたりするので、あまりストレートにうつ病を心配するのは避けた方がよいでしょう。「念のために」と受診をすすめてみてはいかがでしょうか。

笑顔を絶やさない人に原因不明の不定愁訴が続いたら微笑みうつ病かも

周りに気を遣い過ぎる人の様子がおかしいと思ったら少し注意をしてみましょう。本人は心が正常でなくても「何でもない」と笑顔で答える傾向にあります。その言葉を真に受けていると、深刻な状況に陥ることも否定できません。食欲の低下や睡眠状態の変化、肩こり、頭痛といった原因不明の不定愁訴を訴えていませんか?もしそうなら、精神科で相談してみることをおすすめします。本人は他人に悟られることを嫌うかもしれないということを念頭に置きながらアプローチをしてみましょう。

 

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