うつ病患者のための言動が逆効果になることも?!

うつ病を患ってしまうと家族や周囲の人間の協力は欠かせません。家族も「助けてあげたい」「できるだけ楽にさせてあげたい」という思いから、いろいろな対策を立てたり、励ましたりするのではないでしょうか。いくら治って欲しいという思いからでも、そういった言動がかえって患者を傷つける結果になることがあることをご存じでしょうか?今回は、うつ病患者に逆効果になる言動について紹介します。

焦りは禁物!でも「焦らないで」という言葉かけが逆効果になることも

うつ病の治療にとって、心を休ませることが最大の薬になることはよく知られています。ただし、心の休ませ方といっても千差万別で、どのように休むべきか悩ましいところでもあります。うつ病のために休職を余儀なくされた場合では、心を休ませる必要があることは明らかですが、同時に、「早く仕事に復帰しなければ…」「家族に迷惑はかけたくない…」という焦りの気持ちも少なからず生じるに違いありません。焦る気持ちが強すぎると、心は休まるはずがなく、なかなかうつ病の回復に至らないという恐れもでてきます。

焦る患者の気持ちを察して、家族や周囲の人間は「焦らなくてもいいから!」「焦らずにゆっくり休もう!」といった言葉をかけたくなるのではないでしょうか。しかし、そういった言葉が逆効果になることがあるので注意が必要です。

たとえ、家族は本心から焦る必要がないと思っていても、心の底からゆっくり休んで欲しいと願っていても、患者本人にはそのように伝わらないことがあるのです。「本当は早く治って欲しいと思っている」と考えてしまう人が少なくありません。

焦る思いは自分ではどうしようもないことは、正常の心理と考えられます。したがって、焦ってしまうことそのものは認めてあげることで、焦るストレスから解放されるケースもあるということを覚えておきましょう。

 

うつ病を完治させようと思うと長引く恐れがある

うつ病は休養したからといって、風邪のようにすっきり元気になるという病気ではありません。心身を休めながら、薬を飲んで、症状の軽快を期待します。症状が落ち着いてきても、薬を少しずつ減量していくものです。仕事へ復帰するタイミングも、症状、職場の状況、家族の協力などさまざまな点を考慮しながら探っていく必要があります。ある日、うつ病がなくなり、元通りになるという病気ではないのです。

実際、うつ病では「完治」でなく、「寛解」という用語を使います。「寛解」とは、がんやアトピーの治療において使われる言葉で、病気が完全に治るのではなく、症状が治まっているという考え方をします。時と場合によって再発がありえるということです。うつ病は症状が軽快してからも、再発しないように病気と上手に付き合っていく…という考え方が必要なわけです。つらい症状がなくなっても、再発をしないように、内服を続けて、生活をコントロールしていかなければいけません。うつ病は完治するものという考え方や、薬を飲めば数週間で良くなるという誤解があると、焦る気持ちがより強くなり、悪循環に陥ることもあるので注意してください。

 

気晴らしも時に逆効果に!

「ストレスがたまってきた」と思うと、旅行に出かけたり、趣味に没頭したりして、気分を晴らすことを考えるかもしれません。実際に、そうしてストレスが解消されて、スッキリした気分になる人は多いでしょう。しかし、うつ病を患ってしまうと、普段は好きであるはずのことがおっくうになってしまうことが少なくありません。

家族が「気晴らしに」とショッピングや旅行を計画しても、本人には苦痛であったり、かえって疲れてしまったりすることが考えられます。せっかく計画してくれた家族のためにと、楽しく振る舞ってしまい、心が休まらないこともあるので病状をきちんと把握することが大切です。たとえ、普段は本人が楽しんでいることでも、うつ病を患っているときは、気がすすまないことがあります。そのことを理解して、本人はもちろんのこと、主治医とも相談してみることをおすすめします。

 

うつ病の人にかけてはいけない言葉とは?

うつ病を患っていると、普段は気にならないような言葉に対しても深く考えたり、傷ついたりする傾向があります。しかも、ネガティブに捉えることが多いので、軽い気持ちでかけた言葉に大きく傷つくことがあります。

例えば、うつ病そのものを軽く考えるような発言はよくありません。「もっと苦しい人だっているんだから」「誰しも落ち込むものだよ」などという言葉を安易に使うと、自分のことを分かってもらえていないと深く落ち込むことがあります。

また、治療が長期に及ぶと、家族の負担も少なくありません。そんなときに、よかれと思ってしたことが拒否されたりすると、つい感情的になってしまう場合もあるでしょう。しかし、うつ病患者は何をするのもおっくうになっていることが多いということを理解して、できるだけ周囲の人間は冷静に対応したいものです。可能であれば、他の家族と協力したりして、自分自身のストレスをため込まず、感情的にならないように注意をしましょう。

最後に、よく知られていますが、「がんばって」というような励ましの言葉もうつ病患者にはタブーです。なぜなら、励ましの言葉によって、逆に、本人を追い詰めることがあるからです。

主治医と連携しながら、適切な対応を心がけるようにしてください。

 

焦る気持ちとおっくうな気持ち!受け止めてあげることから始めよう

うつ病になると、心が敏感になり、ささいな言葉に傷ついたり、苦しんだりします。家族が本人を思って心の底からかけた言葉であっても、言葉通りに受け取れないこともあるのです。周囲の人間は、まず、うつ病患者がそのような心理状態にあることを理解してあげましょう。仕事の復帰を焦る気持ちも、ある程度は当然の心理として受け止めてあげることで、逆に焦る気持ちが落ち着くことがあります。自分本位の心の休め方を押し付けるのではなく、本人の状況を理解しようとすることが大切です。そのために、本人はもちろん、主治医との連携も欠かせないでしょう。

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