どう接したらいい?うつ病患者の苦しみを理解する

うつ病は心の病気ともいわれます。身体的症状があらわれることも少なくありませんが、多くの場合、精神的症状が強くあらわれます。精神的症状とは、他人にはわかりにくいもので、その苦しみはなかなか理解しにくい傾向です。今回は、うつ病患者はいったいどのような気持ちなのかについてご紹介いたします。うつ病患者の気持ちから接し方についても考えてみましょう。

うつ病は何が苦しいのか

だれしも憂うつに感じたり、気分が塞ぎがちになったりすることはあるものです。友達とケンカをした、仕事の成果を認められなかった、悪い出来事があったなど、一般的には気分が落ち込むには理由があります。そして、気分の落ち込みは一時的なもので、時間の経過とともに気分が晴れ、また元気になるのが普通です。

しかし、うつ病を患っている場合、憂うつになる明確な理由がなかったり、ささいな出来事に関して深く気分が落ち込んでしまったりしがちです。ただ、気分が晴れないというだけでなく「不安で仕方がない」「体が重く感じて起きられない」「悲しく感じる」などが常態的に起こります。

明確な理由がなく、そのような気分の低下が起きるのですが、脳に異常が起きていることはわかっています。うつ病を患うと、セロトニンという脳内物質が不足しがちになるのです。セロトニンとは神経から神経へと情報を伝えるために欠かせません。特に、感情に関係する部分に作用するといわれています。不足することで、そういった憂うつな症状が生じているのですが、自分ではコントロールをすることができません。

したがって、「仕事に行かないといけないのに起きられない」「がんばらないといけないのに体と心がいうことをきかない」など、本人も苦しんでいる状況にあるのです。

 

うつ病患者に励ましは禁句

うつ病にかかると、体と心がだるくて横になることが多くなるかもしれません。多くの場合、起きようとがんばっても、起きられないでいるのです。そして、そうした自分を責めていることがほとんどです。そんなときに、「がんばれ!」「やればできる!」などと周りから励まされると、「自分はダメな人間なんだ」と、より自分を責めてしまうことになりかねません。そうした状況は、症状を悪化させる懸念もあります。したがって、うつ病患者を簡単に励ますことは避けたほうが無難です。ただし、うつ病の種類によっては励ましが効果的なこともあります。まずは、どのようなうつ病を患っているのか、主治医とよく相談することが大切です。

うつ病患者との接し方

うつ病の治療には家族や周囲の協力が欠かせません。しかし、何か特別なことをしないといけないというわけでもないのです。大きく構える必要はなく、基本的には普段通りで構いません。「がんばろうと思っているのに、思ったように自分をコントロールできない」という患者の思いを理解してあげ、できるだけ本人のペースを尊重することです。何かをしなければと、「無理に散歩に連れ出す」「ショッピングや温泉に連れて行く」などは避けましょう。あくまでも「本人がどうしたいか」「本人の気持ちを一番に考える」ということが大切です。

うつ病を発症すると、発症前には問題なくできていた会話も少し難しくなるかもしれません。論理的に話をできなくなることがあるのです。うまく自分の気持ちを伝えることができないこともあります。そんなときは、言葉の揚げ足をとるのではなく、上手に聞き流してあげるほうが良いでしょう。うまく言葉に表現できないことを責めたり、口ゲンカをしたりするようなことは避けるようにします。

また、うつ病を患っているときは、マイナス思考に陥りがちで、冷静な判断ができないことが少なくありません。うつ病を発症中に重大な決断をするのは避けるのが鉄則です。もし、患者本人が重大な決断をしようとしているときには、病気が治ってから改めて考えようと、先延ばしにするように導いてあげると良いでしょう。

うつ病にも種類があって、接し方にも微妙な違いがあります。うつ病の種類や現在の状況、先の見通しなどについて、主治医の意見を確認しておくと、どのように接したらよいかが対処しやすいでしょう。

 

うつ病患者の落ち込みは励まさずに見守ろう

うつ病になる原因は完全には明確になっていませんが、脳の異常が関係していることは確かだといわれています。セロトニンという情報伝達物質の不足によって、理由もなく気分が落ち込んでしまうのです。気分が落ち込んでいる人を見ると励ましてあげたくなるのが人間ですが、うつ病患者に対しては励ますことは良いことではありません。

うつ病患者は、基本的にいつでもがんばろうと考えすぎてしまっているのです。自分の気持ちをうまくコントロールできず、つらい思いをしているのが、うつ病患者です。そんなときに励まされると、「自分はやっぱりダメな人間」と、さらに自分を追い込んでしまいかねません。できるだけ、本人のペースで心を休め、症状が回復するのを見守ってあげることです。

うつ病の種類は1つではなく、さまざまなタイプのうつ病があることもわかってきています。種類によっては、接し方や症状の出方が微妙に異なります。主治医としっかり連携をとり、どのように接するのが一番良いか相談するとよいでしょう。

 

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