パニック障害の放置はうつ病に発展することも

パニック障害という病名を耳にする機会が増えました。通勤電車の中や人混みにおいて、特別な理由もないのに、突然、動機がして不安になるのです。パニック障害は不安障害という大きな枠組みにも属します。息もできないほど苦しく感じるので、救急車で運ばれたりもしますが、命に別状はないとわかると放置されることも少なくありません。今回は、うつ病にも関係するといわれるパニック障害について紹介します。

パニック障害で起こる発作とは?

パニック障害とは特にこれといった理由もないのに、突然息が苦しくなり、脈拍が早まります。心筋梗塞の症状に似ているので、救急車で病院に運ばれることもあります。息ができなくて死んでしまうかもと思ったのに、病院に着いた頃には発作も治まっているということも少なくありません。

パニック障害は脳内物質の不足が関係しているとされているので、息が苦しいからといって循環器や呼吸器の検査をしても問題は見つかりません。発作を予測することは難しく、予期できない発作を繰り返すうちに、いつか本当に死んでしまうのではないかという不安にみまわれることもあります。すると、以前に発作が起きた場所や起きそうな場所、発作が起きたら逃げられないと思うような場所を避けるようになるのです。エレベーターや電車に乗れなかったり、人がいないと外出できなくなったりして、実際の生活に支障を生じてしまうことになります。

パニック障害の原因もセロトニンが関係?!

パニック障害の原因については、未だにはっきりとしたことは解明されていません。しかし、脳にある不安に関係する機能に異常が生じていることはわかっています。循環器や呼吸器に問題がないからといって、決して気持ちの持ち方に問題があるわけではありません。

脳内の神経伝達物質である「セロトニン」が関係していると考えられています。セロトニンが十分に分泌されないために、強い不安や回避行動が生じるのではないかとされているのです。

セロトニンとは、うつ病にも関係が深い物質です。実際、パニック障害を起こして治療が長引いてしまうと、うつ病を併発してしまうことも珍しくありません。逆に、うつ病の発症がきっかけで、パニック障害を引き起こすこともあるといわれています。

パニック障害になりやすい人っているの?

パニック障害は誰でもかかる可能性のある病気です。ただし、男性より女性に、年配よりも若い世代にかかることが多いとされています。

パニック障害の原因については、セロトニンの分泌不足が関係していることがわかっていますが、はっきりとしたことは未だに不明です。しかし、パニック障害になりやすい体質というものがあるとも考えられています。パニック障害を発症した人の子どもや親、兄弟という第一度近親者は発症率が高くなるという報告があるのです。しかし、パニック障害に関係する遺伝子はまだ見つかっていません。

また、子どものころの両親の離婚、親からの虐待など養育環境が関係するという説もあり、研究が進んでいます。他にも、ストレスとの関係、乳酸の蓄積、カフェインの取りすぎなどとの関連性についても研究段階です。

パニック障害を繰り返しているとどうなるの?

パニック障害の主な症状は強い不安が生じることによる、動機や息苦しさです。このまま死んでしまうと感じるほどの強い症状で、救急車を呼ぶことも珍しくありません。しかし、実際に死に至ることはなく、発作も通常は10分前後で治まるのが特徴の一つです。

具体的にみると、心臓がドキドキし、心拍数が上昇したり、息苦しさや息切れ、喉に何かが詰まったような窒息感をおぼえます。胸やお腹が痛くなったり、不快になることもあります。他にも、発汗、体の震え、しびれ、めまい、ふらつきなどの全身症状も生じやすいです。

パニック障害は電車に乗っているときや、車を運転しているとき、以前にパニックを起こした場所、緊張感がなくなりホッとしたとき、会議中などに発作が出やすいとされています。過労や寝不足、風邪などで体調がよくないときにも発作が出やすく、極度の緊張状態にある場合や、女性では生理中に起こりやすいとされています。

パニック発作を繰り返していると、そのうちに、「今後また発作が起きるのではないか」という予期不安を感じやすいです。そして、「もし発作が起きたら、助けてもらえないかも」という広場恐怖に至り、パニック発作が起こりえる行動や場所を避けるという回避行動につながることが考えられます。具体的には、車の運転ができない、公共の乗り物に乗れない、会議に出席できないなどということで、日常生活に支障が生じてしまいます。

パニック障害を疑うときは放置しないで受診しよう

病院の検査で特に異常が見つからなかった発作がある場合、できるだけ早くに精神科や心療科を受診するようにしましょう。命に別状がないからと放置してはいけません。パニック障害とうつ病にはセロトニンという脳内物質が関係していることがわかっていて、パニック障害を放置することは、うつ病を併発するリスクを高めるといわれています。

パニック障害の基本的な治療方法は薬物療法です。認知行動療法という精神面からのアプローチも有効だとされています。治療を開始したからといってすぐに治る病気ではありませんが、早期に治療を開始することで、治療が長引いたりうつ病を併発したりするリスクが下がります。

理由のわからない発作やその発作を恐れる自分に気がついたら、できるだけ早くに専門家へ相談しましょう。

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