双極性障害で観念奔逸があらわれたときの対処法とは?

観念奔逸とは「かんねんほんいつ」と読みますが、双極性障害を患うとあらわれる症状の1つです。双極性障害とは、躁状態とうつ状態を繰り返す病気のことで、かつては躁うつ病とよばれていました。

 

今回は観念奔逸について詳しく解説しています。具体的にどのような症状なのか、その原因や対処法について知っておきましょう。

 

そもそも観念奔逸とは何?

精神障害を患うと、脳が通常通りに働かず、思考の異常を示すことが少なくありません。観念奔逸とは、そのような思考障害の1つです。病気によって、あらわれる思考障害にも特徴があります。考えることが難しくなる思考停止はうつ病患者に多く認められますし、話のつじつまが合わなくなる滅裂思考は総合失調症に多い傾向です。

 

また、てんかん患者は細かいことにこだわってしまい、考えが回りくどくなってしまう迂遠(うえん)思考が認められることが多いといえます。

 

観念奔逸とは、新しい考えが次々に浮かんで、まとまりがなくなってしまう思考のことで、双極性障害を患う人に多く認められます。双極性障害とは、気分が異常に高揚する躁状態と逆に気分が落ち込んでしまううつ状態とを繰り返す病気のことです。観念奔逸は双極性障害でも躁状態で気分が高揚しているときにあらわれる症状になります。

 

観念奔逸とうつ病は関係する?

観念奔逸とは、主に躁状態にあるときにあらわれやすい症状の1つです。躁状態とはエネルギーがありあまった状態で、アイデアが次々に浮かんできます。一方、うつ病とはエネルギーが少なくなった状態ですから、観念奔逸が認められることはありません。

 

しかし、双極性障害のうつ症状とうつ病の症状そのものには違いがほとんどありません。そのため、双極性障害であってもうつの症状があらわれているときに受診をすると、うつ病と診断されることが少なくないのです。

 

のちに、観念奔逸があらわれて、うつ病ではなく双極性障害へと診断を変更するということはありえます。専門家であっても、うつ病と双極性障害のうつ症状とを区別するのは難しいといいます。観念奔逸をはじめ、気分が高まる症状を前に経験したことがあるという人は、受診時にきちんと伝えることが大切です。

 

観念奔逸で起こりうるトラブルとは?

気分が高揚して、次々にアイデアが浮かんでくる状態が観念奔逸です。それだけだと特に問題がなく、むしろ良いことのように感じでしまうかもしれません。しかし、次々浮かんでくるアイデアには関連性はなく、本人は気分が高ぶって多弁になっていることがほとんどです。そのアイデアを他人に話したくなったり、行動に起こしたくなったりして、トラブルを引き起こすことが少なくありません。

 

例えば、アイデアが浮かんだのが夜中でも、相手の迷惑を考えずに電話をかけ、何時間も浮かんだアイデアについて話をすることがあります。

 

その間もさまざまなアイデアが次々に浮かぶので、話はまとまりなく、あちらこちらに飛んでしまい、聞いている方は困ってしまうわけです。ほかにも、後先を考えないので必要のないものを購入したり、他罰的な発言をしたり、多額の買い物をしたりすることもあります。ひどいケースでは詐欺にあったり、不要な契約を結んで、トラブルを引き起こしたりすることも少なくありません。

 

どういった理由から観念奔逸が生じるのか?

観念奔逸は双極性障害において出やすい症状です。双極性障害でも躁状態、すなわち気分が高まっているときに観念奔逸が生じます。本人にとっては素晴らしいと感じるアイデアが次々に浮かぶものなので、誰かにそのアイデアを話したくて仕方がなくなります。

 

しかし、そのアイデアは普通の人が聞くと、非現実的であったり、傲慢であったりします。躁状態にあるときは活動的にもなっているので、実際にアイデアを行動に起こすことも少なくなく、トラブルとなってしまうわけです。双極性障害とは、脳の異常が関係しているのは確かですが、詳しいことはわかっていません。したがって、どうして躁状態になるかは不明なのです。

 

親が双極性障害を患うと、その子どもが発症する確率が高くなったり、一卵性双生児で発症確率が上がることから、遺伝子の関与も指摘されています。また、育った環境や性格、生活リズムの乱れが要因となって双極障害を引き起こすともわかっていますが、それだけが原因ではなく、今後の研究が期待されています。

 

観念奔逸を認めたら、周りはどのように接するべき?

もし、観念本位の症状を認めた場合、周囲はただひたすら話を聞いてあげることを心がけます。そのときに注意をする点は、アイデアについては否定も肯定もしないということです。ただひたすら話を聞く傾聴の姿勢でいることが大事です。躁状態にある人は、普段に比べて怒りっぽくなっていることが少なくありません。そのため、アイデアを否定されたり、非現実だと非難をされたら怒り出すおそれがあります。暴力的になることも否定できませんから、アイデアを否定するのは避けた方が無難です。

 

だからといって、話に同調するのもよくありません。さらに気をよくして、本当に非現実的なビジネスを立ち上げたり、多額な買い物に契約したりするかもしれません。本人に不利益をもたらす可能性があるので、アイデアに賛同するのも避けた方がよいのです。

 

そして、できれば上手に受診を促し、できるだけ早くに治療を開始することを考えましょう。睡眠不足や食欲低下など身体的症状があらわれることも少なくないので、そこを指摘して受診を促してみるのも1つの方法です。

 

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