うつ病患者の本当のメッセージは「死にたい」ではない

 

うつ病になると何事にも意欲が湧かず、何に対しても否定的な考えを持ち、死にたいと思ってしまうこともあるかもしれません。
そして、口から思わず「死にたい」とこぼれ出ることもあります。
しかし、その気持ちは患者の本心ではなく、身体からのメッセージかもしれないのです。
では、「死にたい」と思ったとき、その気持ちとどのように向きあえばいいのでしょうか。
うつ病患者自身はもちろん、周りにいる人がその気持ちを整理してあげることが重要となります。

どうして、死にたいと思ってしまうのか

うつ病になってしまったとき、ポジティブな気持ちを持つのは難しいものです。なぜなら、うつ病は脳にまで変化をもたらすためです。うつ病になるきっかけは患者によって異なりますが、脳の変化は全ての患者にあらわれます。安堵感を司る『セロトニン』や意欲を司る『ノルアドレナリン』、または幸福感を司る『ドーパミン』など、神経伝達物質が分泌されにくくなっている、という特徴がうつ病患者の多くにみられます。

上述した神経伝達物質は血液や細胞のように、人間が生きるために必要不可欠なものです。分泌量が減ってしまうと活力も意欲も湧かず、自分自身の価値を認められなくなります。そして、「周りの人に迷惑をかける」、「自分がいなくなっても誰も気にしない」などと悩み、「死にたい」とまで考えるようになるのです。

死にたい」と思ったときは、その気持ちを整理しよう

では、「死にたい」と思ってしまったとき、患者自身はどのようにその気持ちと向きあえばいいのでしょうか。

まずは、「死にたい」ではなく、「死にたいほど苦しい、辛い」と身体がメッセージを送っていると考えるようにしましょう。そして、ゆっくりと休養をとることが重要です。「死にたい」という気持ちは本心ではなく、病気によるものだと考えれば少しは気分も楽になるはずです。

うつ病になるきっかけは、人によって違います。経済的な問題であったり、人間関係の疲れであったり、親しい人との別れであったりとさまざまです。経済的な問題であれば社会保障制度を利用するなどの解決方法が、そして人間関係の疲れであれば原因となる人と距離を取るなどの解決方法があります。うつ病は辛く苦しい問題であり、解決が難しいこともありますが、死ななければ解決しないというわけではありません。

なお、親しい人と別れたことによって辛さを感じた場合、時間が辛さを癒してくれます。これは科学的に証明されつつあります。例えば脳科学では、睡眠時のレム睡眠には記憶を整理し、辛い出来事を忘れさせる効果があると考えられています。心理学の分野でも、人間の脳は忘れるようにできていると証明されています。辛い出来事を忘れるのには時間が必要ですが、時間が経てば心の痛みは緩和できるといわれています。具体的な方法としては、睡眠の質を高めるため、睡眠薬を服用する方法があげられます。

死にたい」といわれたとき、どうすればいいのか

家族や友人など、親しい人がうつ病になると、どう接していいのかわからなくなるかもしれません。特に、「死にたい」、「死んでやる」といわれたとき、どう対応すればいいかは難しい問題です。

大切なのは、「死にたいなど軽々しくいうな」といった叱咤の言葉はかけないようにするという点です。うつ病患者は、人の言葉を重く受け止めるといわれています。これは、安堵感や幸福感を感じるための神経伝達物質が不足しているためであり、それゆえ患者自身がコントロールするのは困難といえます。本当に死のうとしているかはわかりませんが、それほどまでに追い詰められていると考えるべきなのです。

うつ病患者は自傷行為や自殺願望を口に出すことで、辛さや苦しさを伝えようとしているかもしれません。このような行動や言動をクライシスコールといいます。クライシスコールには、助けて欲しいという想いが込められています。「死にたい」、「死んでやる」といわれたときは、まず話を聞いて気持ちを受け止めてあげることが大切です。また、間違っても自殺に走らないよう注意深く見守り、ゆっくり休養をとらせてあげましょう。

まとめ

「死にたい」と思ったとき、「死にたい」といわれたときは、まずは気持ちを整理させるため、休養を取ることが必要です。時が経てば自然と治る可能性もあります。とにかく悲観的になるのではなく、しっかりと現状を整理して対処しましょう。

 

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