社員がうつ病になったら、まずは何より休養を取らせる

多くの場合、うつ病はストレスにより発症するといわれています。
そして、ストレス社会とも呼ばれる現代では、うつ病の患者が増加しています。
厚生労働省の調べによると、平成8年から平成20年の間に、うつ病の患者数は約2.4倍に増加しています。
うつ病の患者数が増えたことにより、会社においては、社員がうつ病を発症した際の対応を考慮する必要性が増してきています。そのなかで、その社員自身がうつ病だと認めない、または認めても休職しようとしないケースがあります。
このような社員に休んでもらうには、どう対応すればいいかを解説します。

本人の状態に加え、周りに及ぼす影響も考慮する

社員がうつ病を発症してしまった場合、主に2通りの対応があります。1つは出勤を続けながら治療に取り組んでもらう方法、もう1つは休職して治療に専念してもらう方法です。仕事や職場に大きな影響がみられるようであれば、後者が選択されます。しかし、給料の問題などの「会社を休んでしまう不安」から、うつ病の社員が休職したがらないケースがあるのです。

しかし、出勤させ続けると、周りに影響が出てくる可能性があります。まず、うつ病は意欲的に活動できなくなる病気なので、仕事の効率に影響が出ると考えられます。また、周りの社員との調和が取れなくなる恐れがあります。病気の影響により気分が優れず、通常なら考えられないミスをしてしまったり、そうした失敗を必要以上にネガティブに捉える傾向も、周囲を困惑させることになるかもしれません。

こうなると、本人のためにもなりません。うつ病に理解のある職場であれば周りがうまくフォローしてくれるかもしれませんが、上記のような無意識の行動が人間関係を悪化させる可能性があります。また、うつ病の特徴的な症状として「仕事ができないことでさらに落ち込む」というものがあり、無理に業務を続けることで病状が悪化する危険性もあります。そのため、早めに休職してもらい、治療に励んでもらうことが大切なのです。

産業医を利用し、休職の指示を出してもらう

うつ病だと疑わしい社員、あるいは「うつ病だと診断された」と報告があっても休もうとしない社員がいれば、産業医との面談の場を設けましょう。産業医は、社員ひとり一人の健康を配慮し、必要があれば会社へ助言する役割があります。産業医との面談で「このまま業務を続けるのはよくない」と判断されれば、本人が休みたがらなくても、会社側は休職してもらうことができます。

その際は、本人にきちんと理由を説明し、できるだけ納得してもらってから休んでもらうようにしましょう。理由を説明する際に重要なのは、本人を傷つけるような感情的な理由を排除することです。できるだけ事実に基づいた説明をするため、その社員の様子を記録しておきましょう。

治療を円滑に進めるため、様子を記録した資料はその社員の主治医とも共有しましょう。休職してもらう社員にスムーズに復職してもらうためには、産業医と主治医で連携を取ってもらうことが大切です。

会社に産業医がいない場合は、外部から医師を確保して見解を求めるようにしましょう。さらに、今後似たようなケースが起こる場合に備え、産業医の確保や健康管理体制の見直しを行うことが大切です。

傷病手当金を利用する

休職の際の規定は、法律では定められていないので、会社独自の規定に準ずることになります。そのため、休職中の給料の支払いを必ずしも行う必要はありません。無給とするのであれば、代わりに、うつ病で休職する社員には「傷病手当金」を勧めるようにしましょう。

傷病手当金とは、傷病により仕事ができない社員が受け取ることのできる支援金です。この制度を利用すると、健康保険組合により、給料の約3分の2の額が給付されます。一般的には、本人が申請して受け取るものです。しかし、会社が代わりに申請してその社員へ支払うこともできるので、経済的な不安を取り除くためにも積極的に協力するようにしましょう。

まとめ

うつ病になった社員を出勤させ続けても、本人にとって状況が悪化し続けるだけです。できるだけ早くうつ病を治し、スムーズに復職してもらうためにも、しっかり休養を取ってもらいましょう。

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