うつ病の早期発見のために!急激な体重の増減はこころのヘルプサイン

 

うつ病は、早期発見と早期治療がとても大切な病気です。早期に適切な治療を受けることができれば、仕事を休職することなく、仕事量の調整などで治療を進めていくことも可能です。

 

ただ、本人がうつ病であるとは気付きにくく、「これくらい大丈夫」と考えている間に症状が悪化してしまうことも少なくありません。ここでは、うつ病の早期発見に繋がるセルフチェックの方法やうつ病に見られる症状、治療法などを紹介します。

 

 

急激な体重の変化はうつ病のせい?セルフチェックで病気の早期発見を

ダイエットなどを行なっていないのに短期間に急激に体重が変化したら、なんらかの病気である可能性が高くなります。注意が必要な体重の変化の目安は、1〜6ヵ月の間に体重が元の5%以上または4.5kg以上減少した状態です。

 

とくに体重が10%以上減少している場合は免疫機能の低下、20%以上減少した場合は重度の栄養失調による臓器障害を引き起こす可能性が高くなるため注意が必要です。

 

急激な体重の変化を引き起こす病気にはさまざまなものがありますが、うつ病でも体重の増減が見られる傾向にあります。うつ病になると、なにを食べても美味しく感じなくなり食べることすら億劫になります。

 

そのため、体重減少がみられるケースが多いですが、食欲が異常に亢進して体重が急激に増加する場合もあります。体重の増減とともに、「不安感」「焦燥感の強まり」「不眠または過眠」「倦怠感」「頭痛」「胃痛」「動悸」といった症状が現れた場合は、うつ病の可能性を疑い専門医に相談するようにしましょう。

 

また、うつ病と似たような症状が現れる病気として、適応障害や不安症、パーソナリティ障害といったものが挙げられます。高齢者では認知症の可能性もあるため、異常を感じたら早めに病院を受診することが大切です。これらの病気は治療法などが異なるため、自己判断でうつ病と決めつけず、医師の判断を仰ぐようにしましょう。

 

うつ病で現れるこころやからだの症状

うつ病は、病型により大きくメランコリー型と非定型に分けられます。メランコリー型は、典型的なうつ病と呼ばれるタイプで、仕事などによる責任感などから脳のエネルギーが枯渇している状態です。2週間以上も慢性的に続く憂鬱感や倦怠感、意欲や気力の低下、食欲不振、不眠、過度な罪悪感といったこころとからだの症状が現れます。メランコリー型に多く見られるのは、最も気分が落ち込むのは朝であるという特徴です。

 

一方、非定型うつ病は新型うつ病とも呼ばれ、仕事はできなくても自分の好きなことは取り組むことができ、夕方以降に調子が悪くなる、過食、睡眠過多などの症状が特徴的です。メランコリー型が働き盛りの中年男性に起こりやすいのに対し、非定型うつ病は10〜30代の女性に多く見られます。

 

このほか、反復性のうつ病として特定の季節にうつ病を発症し、季節の移り変わりに合わせて症状が軽減していく季節型があります。季節型の症状は、気分の落ち込みや倦怠感、集中力や判断力の低下、睡眠過多、食欲不振などが代表的です。季節型は、日照時間が減少する10月頃から発症する人が多い傾向があります。

 

産後4週間以内にうつ病を発症する産後うつなども、うつ病の病型の1つであると考えられています。産後うつは、女性ホルモンバランスの急激な変化や分娩時の疲労、育児への不安、授乳や夜泣きなどによる睡眠不足から発症するうつ病です。気分の落ち込みや気分の急激な浮き沈み、食欲不振や食欲過多、不眠、集中力や判断力の低下、重度の不安感やパニック発作、自殺企図などが代表的な症状です。

 

いずれのうつ病についても、症状が2週間以上継続し、仕事や家事などの日常生活に支障を生じていれば、治療が必要な状態と考えられます。症状に心当たりがある場合、できるだけ早めに病院を受診するようにしましょう。うつ病は早期に適切な治療を開始するほど、治療期間も短くなる可能性が高くなります。

 

うつ病になってしまうのはどうして?

うつ病は特定の原因によって引き起こされるものではなく、さまざまな要因が複雑に結びついて発症すると考えられています。主な発症要因の1つに挙げられる環境要因だけでも、大切な人との死別、病気、人間関係のトラブル、昇格や降格などさまざまな事柄が要因となります。

 

また、もともと持っている性格によりうつ病が発症しやすい傾向の人もいます。うつ病は、慢性的なストレスにより脳のエネルギーが欠乏して脳機能が低下した状態です。例えば、義務感や責任感が強い、完璧主義、几帳面で凝り性、常に他人を意識して気を使ってしまうというような性格の人は注意が必要です。常に脳のエネルギーを大量に消費している状態のため、うつ病になりやすくなってしまうのです。

 

また、うつ病は脳内神経細胞の情報伝達にトラブルが生じることが分かっており、遺伝的要因や慢性的な身体疾患などのさまざまな要因により生じる可能性があるのです。これらのことが複雑に絡み合い、うつ病の発症へと繋がってしまいます。

 

うつ病はどのように治療するの?

うつ病の治療は、主に休養や薬物治療、精神療法によって行われます。とくに大切なのが、休養です。

 

うつ病は脳のエネルギー不足により脳機能が低下している状態のため、脳をしっかり休ませて機能を回復させますが、かかる時間は症状により異なるのです。うつ病が軽度の状態であれば適度に休むだけでいい場合もあれば、休職して自宅療養したり入院して治療に集中したりしなければならない場合までさまざまです。

 

うつ病の薬物治療は、脳機能の低下を改善し、うつ病によるさまざまな症状を緩和するために行われます。主に治療に用いられる薬は、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤、気分安定薬などで症状に合わせて医師が処方します。抗うつ薬の効果が出るまでには2週間程度かかるケースが多いです。

 

そのため、人によっては効果がないと自己判断で服薬を中止してしまうことがありますが、主治医の指示に従って服薬を継続することが大切です。また、抗うつ薬を初めて1週間程度は副作用が出やすい時期であるため、服用を継続できない場合はすぐに医師に相談するようにしましょう。

 

精神療法は、医師やカウンセラーと協力して、うつ病を引き起こしてしまった原因の改善方法を模索する治療法です。これはうつ病の再発予防のためにも効果的な治療法で、認知行動療法や内観療法などさまざまな治療法があります。自分の思考パターンや行動パターンを見直し、うつ病による否定的な考え方を改善して症状の改善を目指すものです。

 

うつ病の予後は?寛解後も再発に注意

うつ病の治療は、「急性期」「回復期」「再発予防期」の3つの期間に分けて行われるのが一般的です。また、以前の8割ほどの元気がある状態を維持できるようになれば「寛解」と判断されます。

 

通常、回復期の途中で寛解を迎え、この頃にはかなり症状は良くなっています。しかし、うつ病は症状が良くなればすぐに完治という病気ではなく、何度も改善と悪化を繰り返して少しずつ症状が良くなっていく病気です。そのため、寛解状態に入って調子が良いからと自己判断で薬を減らしたり中止したりしてしまうと、再発のリスクが大幅に上がってしまうのです。

 

そのため、調子が良くなってきたとしても主治医と相談しながら少しずつ薬の服用量を調整し、根気よく再発予防期を乗り越えていく必要があります。うつ病の治療期間は個人差が大きいですが、典型的なうつ病の場合の目安は急性期が1〜3ヵ月、回復期が4〜6ヵ月、再発予防期は1年程度となっています。決して焦らず、じっくり治療に取り組むことがうつ病の予後改善のために大切です。

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