うつ病も変わってきている!うつ病のよくある間違い

病気にはそれぞれイメージというものがあり、痛そう、痒そう、しんどそうなどいろいろ考えられます。うつ病と聞くと、気持ちが沈んでしまうイメージをもつ人が多いかもしれません。しかし、必ずしも精神的な症状が前面に出るとも限らないのです。勝手に、自分はうつ病だとか、逆に自分はうつ病でないと判断するのはあまりよくありません。ここでは、うつ病についてのよくある間違いについて紹介します。

うつ病は中年の病気じゃない!

うつ病のイメージとはどのようなものがあるでしょうか?多くの人は精神症状を思いつくでしょう。精神的症状から、人と接することを面倒に感じてしまい、引きこもりがちになるという話はよくあります。近年はこういった型に当てはまらないタイプ「非定型うつ病」の人が増えているといわれています。
昔からよくある典型的なうつ病は「メランコリー親和型うつ病」といい、中高年に多く、真面目で几帳面な性格の人が発症しやすいと考えられていました。それに代わって増えている「非定型うつ病」では、比較的に若年層に多いのが特徴で、真面目で几帳面といった従来のうつ病の性格的特徴が認められず、むしろ仕事に愛着がなく、責任転嫁しがちな自己愛の強い傾向があるといわれています。

「メランコリー親和型うつ病」の人は気分が落ち込むという精神的症状が強いのに対して、「非定型うつ病」では精神的症状が軽度であることも多いです。憂鬱症状が少なく、面倒くさいといった無気力的な症状が前面に現れがちです。仕事面においては明らかに支障をきたす一方で、週末には趣味にはまったり、友人と外出を楽しんだりもします。
他にも、「逃避型うつ病」「現代型うつ病」「未熟型うつ病」「ディスチミア親和型うつ病」など細かく新型のうつ病を分類することがありますが、明確に位置づけがされているわけではなく、今後に注目されています。

うつ病の症状は落ち込むだけじゃない!

うつ病というと、一般的に気分が落ち込み、塞ぎがちになるという精神的な症状を想像する人が多いでしょう。確かに、うつ病には精神的な症状が前面に出る人が多いのは事実です。

しかし、なかには精神的な症状があまり強くなく、身体的な症状が前面に出る人がいます。例えば、お腹が痛くなり下痢をしてしまう人や、頭痛がする人、身体がだるい人、動悸がする人など症状にはさまざま考えられます。また、典型的なうつ病の精神症状とは違う精神的な症状、強迫観念にとらわれたり、強い不安感に襲われたりする人もいます。実際に、うつ病なのに典型的な症状が前面に出ないうつ病を「仮面うつ病」とよぶことがあります。うつ病であるにもかかわらず、他の症状でうつ病に仮面をかぶせているのです。自分で勝手な判断をして、下剤を飲んですませたり、痛み止めを使用したりしていると、どんどんうつ病の治療が遅れてしまいます。うつ病の典型的な症状が前面に出ていなくても、長期にわたって何らかの症状が続いている場合は、医療機関を受診した方が良いでしょう。

うつ病治療の変革

うつ病の薬は怖いというイメージを持っている人が多いと思います。うつ病の再発率は高いので、再発防止のために服薬が長期に及ぶことが少なくありません。昔から使われている薬には副作用が強く出る薬も多く、副作用に悩まされることが多かったのも事実ですが、新しい薬には副作用が少ないものも出てきていて、それらが近年のうつ病の第一選択薬になっています。
うつ病の発症機序は明らかにされていませんが、脳内伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの不足が関係していると考えられていて、薬は基本的にセロトニンやノルアドレナリンの生成を促すものです。しかし、環境や性格などさまざまな要因が複雑に絡み合って発症することが多いうつ病ですから、薬の効果が現れるのに時間がかかることも少なくありません。なかには薬が効かないこともあるといいます。そうしたケースでは、薬を増量したり、新たな薬を増加したりすることがよくありました。

しかし、近年はうつ病の治療は薬物療法に限らず、多角的な視点からアプローチがされるようになってきています。なかには薬を服用しないケースもあります。日本ではまだ遅れた分野ではありますが、物事の捉え方を変えるための「認知行動療法」や「カウンセリング」といった精神療法や心理療法を取り入れたクリニックも増えてきています。
他にも磁気刺激治療といい、脳に磁気的な刺激を与えることで、脳の活動を回復させようという治療もあります。
光トポグラフィー検査も取り入れられています。うつ病なのか、双極性障害なのか、総合失調症なのか、診断が分かりにくい場合に有効とされていて、誤薬の防止に役立ちます。

うつ病の治療は薬だけじゃない!

うつ病には落ち込みやイライラといった精神症状が前面に出る従来のものとは違うタイプのうつ病があることがわかっています。医学の進歩で、より副作用の少ない薬が開発されたり、うつ病のすべての人に必ずしも薬が効果的であるとは限らないこともわかっていて、うつ病に対して違ったアプローチを試みたり、検査によってうつ病の診断を確実に行なおうとする研究が進んでいます。
うつ病は育った環境や職場の人間関係など周囲の影響を大きく受ける病気です。時代の移り変わりによって症状の出方が変わることがあり、治療や診断方法にも変化があります。固定観念に縛られないことは、うつ病の治療をスムーズに進め、予後を良好なものにするためには重要なことです。

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