うつ病克服には、依存させないことも大事

家族や身近な人がうつ病を発症した際、接し方がよくわからないと悩むことはありませんか。良かれと思ってしたことが、依存の原因になることがあります。接し方によっては、治るのに時間がかかってしまったり、前になかなか進みだせなくなったりするのです。今回は、うつ病患者に依存させてしまう接し方とはどのようなものか説明します。

 

依存をさせてしまう接し方とは?

うつ病患者に「がんばれ」と励ますことが良くないということは、よく知られています。典型的なうつ病を患う人というのは、真面目で几帳面な性格の人が多いです。うつ病で日常生活に支障をきたしていることに、申し訳ない気持ちを持っている人がほとんどだといいます。そこで「がんばれ」という言葉をかけると、さらに大きなプレッシャーとなるので良くないといわれているのです。要するに、うつ病と診断された人が周りにいる場合は、温かく見守る態度が大切だと考えられています。
しかし、注意をしなければいけないことがあります。温かく見守るということは、何でも先回りをして与えることとは違います。温かく見守るということは、うつ病の治療がスムーズに運ぶようにサポートをすることで、決して、本人が何もしなくてすむように支えることではありません。本人ができないであろうからと、どんどん代わりに行っていると、依存を引き起こすことがあるのです。

 

うつ病の病状に合わせて接し方を変える

家族や身近な人がうつ病を発症した場合、どのように接するのがベストなのでしょうか。
うつ病とは、一般的にアップダウンを繰り返しながら少しずつ回復していく病気です。病状が非常に悪いときには、人と話をするのもしんどく感じたり、起き上がることさえ困難だったりするといいます。そんな時期に自分でご飯を作ったり、薬の管理をしたりするのは、難しいということは安易に想像できます。うつ病の症状が強い時期にはしっかりと休養することが非常に大切です。したがって、休養ができるように全面的に協力してあげることは、精神面だけでなく、身体面を助ける意味からも重要になります。
そして、徐々に病状が回復してきたら、状況に合わせて患者本人ができることを増やしていくようにします。ただし、うつ病の症状は日によって上下するのが一般的です。昨日できたことが今日はできないということは普通にあるので、周囲もあまり一喜一憂するのではなく、ゆっくりと前進するイメージで構えていると良いでしょう。
また、近年増えている非定型うつ病の人の接し方は、典型的なうつ病の人の接し方とは少し違います。病気で思うように身体が動かなかったり、気分が落ち込んだりする点は本来のうつ病と同じですが、比較的に自分の好きなことには楽しんで取り組むことができるのが非定型うつ病の特徴です。非定型うつ病の場合、適度なプレッシャーを与えることが治療に有効だと分かっています。適切な励ましが回復を早め、逆に守り過ぎることで回復が遅れるのです。うつ病のタイプによっても、接し方を変えなければいけません。

自分で踏み出せなくなるリスク

うつ病に限った話ではありませんが、人間は何でも与えられていると自分でできることが少なくなってしまいます。料理をしたことがなければご飯を作ることはできませんし、切符を買ったことがなければ1人で電車に乗るのも難しいのと同じです。母親が家のことを全て行っている家庭で、不意に母親がいなくなると家族が困り果てるという話はよく聞きます。
うつ病患者も同様で、何でもかんでも与えていたり、代わりに行っていたりしては、自分でしようという意志が少しずつ薄まっていくものです。そのような状況にうつ病患者が慣れてしまうと、自分で行うことに恐怖感がでてきてしまい、前に進めなくなってしまうことがあります。
最終目標はうつ病を治し、仕事や日常生活に戻ることです。そのために自分ですること、できることは少しずつ増やす必要があります。もちろん、しんどいから今日はできないという日には、助けてあげることは問題ありません。あくまでも、患者本人の意志を考えることが大切なのです。しんどいであろうからと先回りをするのではなく、しんどいと本人がいうときには助けてあげるという姿勢でいましょう。
そして、少しずつ適度なプレッシャーを与えながら自分でできる範囲を広げていくことができるとベストです。適度なプレッシャーというのは簡単ではないので、医師としっかり連携することが大切になってきます。

 

医師と連携をとりながら、うつ病の家族と接していく

うつ病患者に対しての接し方は、うつ病の種類や病状の段階によって少しずつ異なります。休養するためにサポートをすることは大切ですが、何でも先回りをして行うと依存を引き起こし、1人でできなくなる恐れがあります。また、最近増えているという非定型うつ病の場合は、ある程度のプレッシャーを与えた方が治療には効果的だといわれています。医師と積極的にコミュニケーションをとり、適切な接し方を確認しましょう。そうすることで、治療がスムーズに運び、回復が早まることが期待できます。

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