増加傾向にある「擬態うつ」はうつ病と違うの?

近年うつ病患者が増えるなかで、自分をうつ病だと思い込む人も増えているといいます。インターネットなどでうつ病の情報が簡単に手に入る世の中です。医師の診断を仰ぐ前に「自分はうつ病である」と信じ込んでいるケースを「擬態うつ」とよびます。擬態うつとはどのような状況なのでしょうか。擬態うつについてしっかり見ていきましょう。

 

擬態うつとは普通のうつとどう違う?

「擬態うつ」とは、医学用語ではありません。林公一(はやしきみかず)精神科医の著書によって示された造語にあたります。うつ病の情報が簡単に手に入るようになり、ストレス社会といわれる時代のなかで、自分をうつ病だと思い込む人が増えています。そういった人たちを「擬態うつ」とよびます。
一昔前では精神の病を抱えることは隠すことだとしていた日本も少しずつ変わってきて、うつ病と診断されることで休職ができるまでの時代になってきています。そんななか、インターネットでは簡単にうつ診断と称して、自己診断ができるようにもなっているのです。
そうした状況から、自分をうつ病だと信じる人が増えているのです。うつ病ではありませんから、うつ病の治療方法に効果を示しません。薬にも反応しなければ、休養をしてもよくならないのです。
うつ病の診断とは非常に難しく、医師でも診断に悩むケースがあるといいます。それもまた擬態うつといわれます。うつ病ではないけれども何かしらの理由があって擬態うつの症状が現れていると考えると、その人たちもまた何らかの精神的なアプローチが必要な状態であることは否定できません。

 

擬態うつになる人の考えとは?

どうして自分をうつ病であると信じ込むのでしょうか。うつ病の情報については、少しずつ正しい情報が世間に広がりつつあります。世間でよく知られているうつ病患者との接し方で、周囲の人間が「がんばれという言葉かけを行うことはよくない」というものがあります。他にも、うつ病の治療には「十分に休養することが重要」であるということも一般的によく知られるようになりました。そういったことから、休職がやむを得ないケースも少なくないといいます。
擬態うつになる人は何らかの心のケアが必要な状態で、それが違った形で出ているのではないかとも考えられます。うつ病になった自分自身を優しくサポートして欲しいというような心の現れであるのかもしれません。擬態うつとはうつ病ではありませんから、うつ病の治療をしても効果がないのも特徴の1つです。うつ病の薬を飲んでも効きません。だからといって、治療が必要ないという意味でもないのです。うつ病という診断は当てはまらなくても、何らかの精神的な治療のアプローチが必要なことが大いに考えられます。

 

うつ病の最終診断は医師にしてもらう

擬態うつが増えた背景はいろいろなことが考えられますが、うつ病に対する情報が増えたことが大きな要因といえるのではないでしょうか。インターネットではうつ病の情報が簡単に手に入り、中には自分でうつ病ではないかという簡単な診断ができるサイトを数多く見かけます。
しかし、それらのセルフチェックのほとんどはあくまでも『うつ病である可能性』をチェックしているものがほとんどです。セルフチェックで全ての項目に当てはまったからうつ病であると決まったわけではありません。あくまでもうつ病の可能性が高いというだけですから、その場合は、必ず、精神科医の診察を受けなければなりません。
セルフチェックといっても、わかりやすくするために、かなり簡単にしているものがほとんどです。例えば、「最近、疲れやすい」という項目があったとしても、本当にその項目に当てはまるかどうかという点は専門家でも判断が難しいといえます。つまり、専門家が診察をしても、完璧にうつ病の診断はできないということです。専門家も患者本人の言葉、家族の言葉、診察室での客観的情報、検査結果などいろいろな情報を整理しながら治療を進めています。
うつ病かもしれない、自分はうつ病だと思ったときには、きちんと医師の診断を受けることをおすすめします。症状がある以上は、何かしらの対策を立てた方がよいでしょう。それを探るのは1人で行うのではなく、きちんと専門家を交えて行うのがベストで回復への近道でもあるのです。

 

うつ病と思ったらまずは医師に相談する

近年「擬態うつ」という言葉がよく使われるようになっています。うつ病であると思い込んでいる状態のことを擬態うつとよびますが、実はうつ病とは異なるので、うつ病の治療を行っても病状は回復しません。うつ病に関する情報が世間に広まり、うつ病に対する理解が深まることは大きなメリットですが、勝手な判断で擬態うつを疑うことは問題です。
「最近、身体の調子が悪いのはもしかしたらうつ病かのせいかもしれない」「セルフチェックをしてみたら自分はうつ病だ」などとうつ病を疑う際には、まずは専門家の診察をきちんと受けることをおすすめします。どのような症状があり、どのような対策が効果的かを専門家に相談をしていくのが、心身の健康を取り戻すためには一番の近道になるでしょう。

 

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