登校拒否にもなる?起立性調節障害のタイプと対策について

起立性調節障害とは体の成長が著しい思春期に起こる病気で、Orthostatic Dysregulationの頭文字をとってODと呼ばれることもあります。体の成長に自律神経の発達が追い付かず、立ちくらみやめまいなどの症状を起こします。

 

ほとんどは成長に伴い症状も改善していきますが、なかには朝に起きられずに不登校に陥る深刻なケースもあります。決して怠けているわけではないので、周囲の人間は理解をしてあげなければいけません。今回は、起立性調節障害のタイプや改善策について紹介しています。

 

子どもが発症する起立性調節障害とは?

起立性調節障害とは、思春期である小学校高学年から中学生に多くみられる病気です。自律神経の調節がうまくいかずに、立ちくらみや失神、動悸、倦怠感、朝に起きられないといった症状を引き起こします。過

 

去には思春期に起こる生理的な変化の1つと軽く考えられていました。しかし、朝に起きられないことから不登校になったり、ひきこもりに陥ったりすることが報告され、病気として医療介入が必要だと考えられるようになったのです。

 

自律神経の調節がうまくいかない原因は、発達途中にあるためです。思春期になると、体が大人へと成長します。しかし、自律神経の発達が追い付かずに、不安定になってしまうのです。その結果、さまざまな調節がうまくいかなくなると考えられています。

 

起立性調節障害を起こす原因は自律神経の異常だけではなく、精神面や環境面も発症の要因として関わっているとされています。過剰なストレスや乱れた生活習慣が発症の要因になったり、症状を悪化させたりするのです。

 

起立性調節障害の4つのタイプとは?

起立性調節障害の症状にはさまざまなものがあります。

 

・立ちくらみや、めまい

・起立時の気分不良や失神

・入浴時の気分不良

・起床困難や午前中に不調

・動機や息切れ

・乗り物酔い

・頭痛

・腹痛

・食欲不振

・顔色の不良

 

これらのなかから3つ以上(症状が強い場合は2つ以上)の症状を認めれば起立性調節障害を疑います。しかし、似たような症状を起こす鉄欠乏性貧血や心疾患、内分泌疾患など他の病気もあるため注意が必要です。そのため、起立性調節障害と診断するには、まず起立性調節障害と同様の症状を起こす疾患を否定することから始まります。

 

ほかの疾患が否定されて、起立性調節障害の疑いが高まると、新起立試験」を行うことになります。10分間横になった後に起立して、血圧や心拍数などを測定して、その変化を観察するのです。通常、起立すると自律神経の働きで下半身の血管が収縮し、下半身に血液が溜まるのを防ぐようになっているのですが、起立性調節障害では、その反応が遅れてしまいます。脳や心臓に戻る血液が少なくなってしまうのです。

 

 

検査の結果から起立性調節障害は主に4つのタイプに分類することができます。

 

起立直後性低血圧

起立直後に血圧が低下してから回復するまでに時間がかかってしまうタイプです。

 

体位性頻脈症候群

血圧の回復には異常ありませんが、起立後に心拍の回復がなく、上昇したままです。

 

神経調節性失神

起立すると、急激な血圧低下を起こしてしまい、いきなり失神する恐れがあります。

 

遷延性起立性低血圧

起立を続けると、徐々に血圧が低下してしまい、失神してしまいます。

 

 

起立性調節障害の症状が軽度なら

軽度の起立性調節障害であれば、生活の工夫によって、症状が改善します。次のことに気をつけましょう。

 

立ちあがるときはゆっくり、長時間の起立は避ける

立ち上がるときに、下半身からの血液の戻りがよくないので、急に立ち上がることは避けます。うつむき加減でゆっくり起きあがるようにして、頭は最後にあげるようにします。長時間にわたって起立をするときは、足を動かして筋肉によって血液を押し戻してやりましょう。

 

水分と塩分の摂取を心がける

血液量を増やすために、水分と塩分を意識的に取ることが大事です。水分摂取は1日に1.5~2L、塩分摂取は1日に10gを目標にしましょう。塩分は、おいしいと感じる食事を介して摂取することを考え、水分は食事以外で摂取することを心がけます。

 

日中はゴロゴロしない

日中に体を横にしてしまうと、自律神経が横になった体勢で体を調節してしまい、次に起床しにくくなってしまいます。横になって休憩したいときにも、頭の位置は心臓より高く保つことを心がけてください。毎日、30分程度の歩行の習慣をもち、脚の筋力低下を防ぐことを意識すると良いでしょう。

 

夜ふかしをしない

朝が起きづらいことで、夜になかなか眠くならないことがありますが、夜ふかしは禁物です。夜ふかしをしてしまうと、悪循環を生みます。夜は眠くなくても時間になると布団に入る習慣をもちましょう。

 

ストレスをためない

起立性調節障害は、自律神経の異常による病気です。朝起きられなかったり、学校に行けなかったりするのは、怠けているわけではないことを親や教師といった周囲の大人が理解することが大切です。自律神経は、ストレスによる影響を大きく受けるので心身にかかるストレスは気をつけなければいけません。

 

 

起立性調節障害の症状が中等度以上なら

中等度以上の起立性調節障害を認める場合には、上記の生活上の工夫と併用しながら薬物療法を行うことが一般的です。両親はもちろんですが、学校の担任教師や養護教諭が病気についての理解を深めたり、知識をつけたりすることが不可欠になります。

 

治療を円滑に進めるには、医療機関と家庭と学校の連携がより重要となるでしょう。薬を服用したからといって、すぐに起立性調節障害の症状が改善するわけではありません。焦らずに気長に治療に取り組む姿勢が必要です。

 

起立性調節障害かもと思ったら早めの治療

思春期の成長過程で自律神経が不安定になることは珍しくありません。立ちくらみや、めまいが頻繁に起こるようなら起立性調節障害の可能性があります。起立時に自律神経の異常で血液の戻りにくいことで起こるものです。

 

必ずしも治療が必要というわけではなく、軽度であれば、生活を工夫することで改善します。なかには朝の起床が困難になり登校できなくなる子どももいます。そのようなケースは、できるだけ早くに治療を開始することが大切です。医師と家庭と学校が連携をしながら、気長に治療にのぞむようにしましょう。

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