電車に乗るのが怖い… 精神疾患の例から学ぶ不安障害やうつ病の改善方法

 

それまでバリバリ仕事をこなしていた人が、ある日突然電車に乗ると激しいめまいや動悸、呼吸困難などを生じることがあります。検査を受けても異常が見つからないにも関わらず、電車に乗るたびにこれらの症状に襲われて出勤できないまま退職を余儀なくされるケースも少なくないのです。

 

実はこのような症状は、パニック障害という不安障害の1つである可能性があります。ここでは、実例をもとにパニック障害の症状や改善方法などを紹介します。

 

「電車に乗れない」実はうつ病ではなく、ほかの精神疾患が原因かも…

うつ病になると、興味や意欲の喪失、億劫感といった症状が現れるため、外出する気力が湧かなくなってしまうケースがよく見られます。意欲低下が悪化して人と接する気持ちがなくなり、家に引きこもりがちになることも少なくありません。

 

そのため、「電車に乗れない」といった症状が起こるとうつ病を疑いがちですが、実はこの症状はうつ病以外に別の精神疾患が関係している場合が多いのです。

 

その1つが不安障害の1種であるパニック障害で、これは主に電車や人混みの中で突然の動悸や呼吸困難を起こす精神疾患です。電車内などで1度激しいパニック発作に襲われると、その後再発しなくても「また発作が起こるのではないか」という強い不安に苛まれ、それ以降電車に乗ることができなくなってしまいます。

 

不安障害には、対人恐怖症や高所恐怖症、強迫性障害、PTSD、全般性不安障害といった症状も含まれ、パニック障害はそれらの症状の1つです。また、パニック障害にはうつ病を併発することが多く、通常のうつ病よりも治療が困難になるため、非定型うつ病として分類されています。

 

 

電車に乗れなくなるだけではない?パニック障害は3タイプに分けられる

一言でパニック障害といっても、必ずしも電車に乗れなくなるだけではありません。パニック障害のタイプは、大きく3タイプに分けられるといわれています。

 

1つ目は、それまで問題がなかったのに突然電車の中などでパニック発作を起こし、その後電車という空間そのものが怖くなって電車に乗れなくなってしまうケースです。このタイプの治療は、まず電車という空間に対する恐怖を乗り切るための行動療法が中心になります。空間恐怖を乗り切らなければ、薬による治療の効果が出にくいことが多いためです。

 

2つ目は、もともと不安障害を持っていた人がパニック発作を起こして、新たに空間恐怖症が付け加えられたケースです。例えば、ジェットコースターなどの特定の乗り物にのみ強い恐怖を感じていても、パニック発作後に電車も不安の対象になってしまう場合が該当します。この場合は、空間恐怖を克服することに加え、もともとあった不安障害の治療を並行して行う必要があるケースが多いです。

 

3つ目は、電車の中などでパニック発作を起こした後でも、電車に乗ることに対して特に不安を感じないケースです。この場合は、発作の頻度が少なければ発作が起こりそうなときのみ抗不安薬を、発作の頻度が多ければSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用するなどして、薬物治療を中心に行っていくことになります。

 

 

パニック障害の改善法1:自分自身と向き合おう

パニック障害では、不安を感じることで症状が悪化してしまいます。そのため、まず大切なのは「自分が何に対して恐怖感を覚えるのか」を認識することです。

 

次に、パニック障害の症状や病態に対する知識を身につけ、自分がどのような状態にあるのか理解することに努めましょう。発作が起こったときの対処法やリラックス方法などを身につければ、安心感が増して不安を感じにくくなることも多いのです。

 

また、「慣れる」ことも大切です。自分が何に不安を感じているのか考えながら電車に乗るというトレーニングを繰り返していくと、次第に発作が起こったときの対処ができるようになります。

 

また、パニック発作は概ね20分ほどでピークに達し、その後は症状が軽減されていく傾向があります。この傾向を予測できるようになれば、「この後どうなるのか」という不安が軽減されますし、「少し耐えれば良くなる」と考えられるようになるため、パニック障害の克服に繋がるケースも多いのです。

 

 パニック障害の改善法2:食事や休息などのメンタルヘルスケアも大切

パニック障害の治療は、主に薬物療法と認知行動療法が基本となります。パニック障害では脳の神経伝達物質の乱れも生じているため、パニック発作が繰り返される場合は自分でなんとかしようとせずに心療内科や精神科を受診することが大切です。それと共に、食事の見直しをしたり休息をしっかり取ったりするようにしてメンタルヘルスケアに努めましょう。

 

とくに、休息は一番手軽にできる大切な治療方法です。常に睡眠不足状態で脳に疲労が蓄積している状態が続くと、パニック発作が起こりやすくなります。6〜8時間ほど睡眠を取ることを心がけ、リラックスできる時間を設けるようにしましょう。

 

また、栄養バランスの良い食事を摂る、無理をしすぎない、ストレス解消のために適度に運動するなども、パニック障害の改善のために有効な方法です。全てを行うことは難しくても、自分にできることを少しずつ生活に取り入れて、パニック障害の改善を目指しましょう。

 

パニック障害の正しい理解が改善への第一歩!

電車に乗ることができなくなってしまうのは、うつ病だけが原因とは限りません。不安障害の1種であるパニック障害により、電車に乗ることができなくなっている場合も多いのです。

 

パニック障害は、うつ病に併発することも多い精神疾患の1つです。パニック障害を併発するうつ病は非定型うつ病と呼ばれ、通常のうつ病よりも治療が難しいケースが少なくありません。

 

パニック障害は不安により症状が悪化するため、病気の正しい知識を身につけて安心感を高めることで症状が緩和される場合も多いです。突然電車などに乗ることができなくなってしまったら、一人で抱え込まずにまずは病院を受診して相談しましょう。

 

医師からパニック発作の症状や改善方法などの説明を受け、適切な治療を受けることがパニック障害改善への近道です。治療と共に休息や食生活の改善など、自分にできることを少しずつ取り入れながら、パニック障害の改善を目指しましょう。

 

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