うつ病と関係が深い身体醜形障害をご存知ですか?

「身体醜形障害」という精神疾患をご存知でしょうか。
この疾患では、自分の容姿に極端なコンプレックスを抱えてしまい、他人とのコミュニケーションが取れなくなるなどの症状がみられます。
その症状が深刻化してしまうと、うつ病を発症することがあります。
このように、さまざまなリスクのある身体醜形障害ですが、日本ではまだ十分に認知されておらず、誤診されることも少なくありません。
ここでは、身体醜形障害の特徴、そしてうつ病との共通点についてご紹介します。

身体醜形障害を発症すると、自己評価が低下する

身体醜形障害は、自分の容姿が醜いものであると思い込んでしまう精神疾患です。この疾患を発症すると人目を過度に気にする、鏡を何度も見る(または過度に避ける)などの行動をとるようになります。顔や体形はもちろん、歯や爪といった細かい部位まで気にする患者も少なくありません。患者の自己評価は著しく低下しており、他人から容姿を褒められても頑なに認めないという傾向にあります。

容姿にコンプレックスを持つこと自体は珍しくありませんが、極端すぎるコンプレックスを抱えている場合、身体醜形障害の可能性があります。もし、自分や周囲の人に疑わしい点があるならば、うつ病を発症する前に病院で治療を受けるのが適切とされています。

周囲の人が身体醜形障害かどうか判断するためには、「自分の容姿を0点から100点の間で答えてください」と、質問しましょう。この際、0点以下と答えるようであれば、身体醜形障害の可能性が高いとされています。

身体醜形障害がうつ病誘発する理由

身体醜形障害は、うつ病を誘発しやすい疾患であるといわれています。これには、脳内伝達物質である「セロトニン」の分泌が関わっていると考えられています。

人間の体は不安や緊張を感じると、脳からセロトニンが分泌されます。セロトニンは安堵感を司る物質であり、分泌されることによって精神のバランスが維持されます。しかし、不安、緊張状態が長く続くと、セロトニンの分泌のバランスが崩れます。身体醜形障害の患者は、自分の容姿に関して常に不安を抱えており、セロトニンの分泌のバランスが崩れがちな傾向にあります。

また、過度のダイエットにより栄養バランスが崩れることも、セロトニンの分泌に影響を与えます。身体醜形障害の患者は、一定の割合で摂食障害も併発します。これは、自分の体形にコンプレックスを感じ、過度の食事制限をしてしまうためです。このダイエットにより食事が偏ると、セロトニンの元となる「トリプトファン」や、セロトニンを生成するのに必要な「ビタミンB6」が不足し、セロトニンの分泌のバランスが崩れます。

うつ病患者の多くは、セロトニンの分泌が不足しているという統計があり、うつ病を発症する原因はセロトニンの分泌のバランスが崩れることにある、といわれています。身体醜形障害を発症すると、強い不安や緊張を感じるようになったり、過度のダイエットを続けたりして、うつ病発症のリスクも高まってしまうのです。

身体醜形障害とうつ病の治療共通点がある

身体醜形障害とうつ病の治療には、共通点があります。それが、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ剤を用いる点です。

SSRIは、セロトニンの不足を防ぐのに役立ちます。神経伝達物質であるセロトニンは、脳に情報を伝え終わると、通常であればそのまま神経細胞に取り込まれてしまいます。SSRIを用いることで、セロトニンが神経細胞に取り込まれることを防ぎ、分泌のバランスが整います。SSRIは、抗うつ剤という名前のとおり、うつ病治療に多く用いられるものですが、身体醜形障害の治療にも用いられます。

SSRIでセロトニンを増やすことによって、精神状態を安定させ、強い不安や緊張を軽減させることができます。この作用は、身体醜形障害にもうつ病にも有効です。

まとめ

このように身体醜形障害によってうつ病がする割合が高いといわれています。身体醜形障害、うつ病どちらかが疑わしいと思うのであれば、早めに受診しましょう。どちらも治療で改善していくことができます。

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