うつ病と間違われやすい病気3:認知症

 

最近では、うつ病の症状についての理解が少しずつ広まってきました。
それと同時に、うつ病に間違えられやすい病気も知られるようになってきました。
そのうちの一つが「認知症」です。
両者はどちらも国民病として扱われ問題が深刻化していますが、症状に似通っている部分があるため誤診されることも少なくありません。
そのため、正しい治療法が施されないこともしばしばです。
ここでは、うつ病に間違われやすい病気の一つである認知症について紹介していきます。

そもそも認知症ってどんな病気

認知症とは、さまざまな原因で脳の神経細胞が正常に働かなくなり、道がわからなくなったり、時間や季節の感覚が狂ったりと、生活に大きな支障が出る病気のことです。脳の生理的な老化によって起こる物忘れとは全くの別物です。老化による物忘れは、「体験したことの一部を忘れる」、「判断力は健在」、「物忘れを自覚している」という状態であるのに対し、認知症は「体験したこと自体を忘れる」、「判断力も低下する」、「物忘れの自覚がない」という明らかに違う症状がみられます。

また、認知症にはそれぞれ「アルツハイマー型認知症」、「レビー小体型認知症」、「血管性認知症」と呼ばれるタイプに分けることができ、認知症のうち半数はアルツハイマー型だと報告されています。それぞれの認知症は患者の男女比、初期症状なども微妙に異なってきます。

うつ病と認知症の共通点と相違点を見分けることが

認知症やうつ病には共通点があります。代表的な共通点が「記憶力が著しく低下し、生活に支障が出る」という点と、「判断力が落ちてしまい、普段なら簡単にできることをするのにも時間がかかる」という点です。
両者を区別しにくくしているのはこれだけではありません。認知症の初期症状では、全体の4割から5割という確率で抑うつ症状がみられると報告されています。この抑うつ症状が認知症によるものではなくうつ病によるものだと間違えられてしまう、もしくはうつ病による症状が認知症の症状として誤診されるケースがあります。

では、うつ病と認知症の違いはどこにあるのでしょうか。違いは主に、性格の変化、病気の進行速度、症状の自覚度や訴え方などに表れます。うつ病の場合は、常に「自分はいないほうがましだ」と悲観的な性格になりがちで、興味のあることに対しても無気力になるといった変化がみられます。これに対して、認知症は性格の変化に個人差が大きく出るため、一概に変化の特徴をあげられません。また、うつ病は急速に病状が進行しますが、アルツハイマーを代表とする認知症は、進行が比較的ゆるやかです。

うつ病と認知症は併発するリスクもある!?

認知症は前述したとおり、脳細胞の機能が低下し、社会生活に支障をきたしてしまう病気をさします。うつ病と誤診されるケースも多くありますが、実は認知症からうつ病を併発するケースも多くみられます。また、逆に重度のうつ病を発症している人はうつ病を発症していない人と比較して、アルツハイマー型認知症を発症するリスクが3.59倍も高くなるという調査結果もでています。

この調査はスペインの研究グループが行ったもので、55歳の男女4,803人のうち、認知症の症状が出ていなかった3,864人を対象に、追跡調査を行いました。調査開始時、うつ病と診断された人は全体の11.7%、そのうち重度なうつ病だと判明した人は16.4パーセントという結果が出ました。さらに、追跡調査中に70人がアルツハイマー型認知症を発症したと判明しました。

このことから、うつ病と認知症は深い関係があると考えられています。しかし、それだけに誤診が多く、適切

まとめ

うつ病を認知症に、そして認知症をうつ病に間違えないためには、まず両者の細かな違いを知っておくことが大切です。また、これはどちらにもいえることですが、相手の話や訴えをよく聞くこと、医師の正しい指示を仰ぐことも重要です。両者は診療科にも違いがあるため、その違いをわかった上で診断に臨みましょう。

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