腸内環境の正常化がうつ病治療に効果的

 

うつ病の発症原因の有力な説として「ストレスによるセロトニンの分泌異常」が挙げられています。
強いストレスを受けることでセロトニンが不足するとうつ病を発症するというものです。
このことから、脳内でセロトニンの分泌を司っている中枢神経系の異常が、うつ病の原因であると考えられています。
ですが、脳内で生成されるセロトニンの量は全体のわずか2%。
人間の体内に存在するセロトニンのうち、およそ8割を分泌しているのは、実は消化管の粘膜、すなわち「腸」なのです。
ここでは、腸と脳、そしてうつ病との関係性についてご紹介します。

「第2の脳」といわれる腸でセロトニンの大部分が分泌される

強いストレスを感じると脳の機能が低下したり、脳組織が萎縮してしまうことはよく知られています。しかし、ストレスに過敏に反応する器官は脳だけではありません。実は同じくらい敏感にストレスの影響を受けている器官があるのです。それは、「腸」です。

不安や緊張を抱えるとすぐにお腹が痛くなったり、下痢になったりしてしまう人がいますが、それはストレスが腸に影響を及ぼしているためです。人はストレスを感じると、精神的な負担を中和するためにセロトニンを盛んに分泌するようになります。先述したとおり、セロトニンの大部分は消化管の粘膜から分泌されており、消化管の活動はストレスを感じると活発になります。このことをきっかけとして、腸の蠕動運動が促進されたり、消化管が知覚過敏になったりします。すると腹痛や消化不良、下痢や便秘が起こりやすくなってしまうのです。

腸の機能が低下すると、セロトニンの分泌量も低下します。すると、体内のセロトニン量が不足してしまい、それが原因でうつ病になってしまうこともあります。

「自動車とガソリンの関係」が「うつ病とセロトニンの関係」

うつ病はよく、自動車でいうところの「ガス欠」に例えられます。神経伝達物質の異常によってエネルギーが不足してしまい、動きたくても動けない、頑張ろうと思っても頑張れない状況に陥ってしまう様は、まさしくガソリンが足りない自動車のよう。うつ病は「甘えだ」「サボりたいだけだ」と軽視されがちですが、それは外見的な病変があらわれる病気ではないための誤解です。ガソリンが空っぽでも、自動車の外見に変化はありません。ですが、その状態でキーを差し込んでもエンジンは動きません。まずは、ガソリンを注入する必要があります。

この例えでいえば、セロトニンの分泌量の8割を担っている消化管粘膜は巨大なガソリンスタンド。車にガソリンを注入するためには、まずガソリンスタンドがきちんと稼働できる状態にすることが先決です。そのために、「腸内環境の正常化」をしていきましょう。

腸内環境を正常に保つ方法

腸内環境を正常に保つことで、セロトニンの分泌量を維持することができます。また、腹痛や下痢、便秘といった腸の症状から脳にストレスがフィードバックされることも緩和できます。悪循環に陥ることを防ぎ、うつ病の予防や病状の悪化緩和につながります。

・乳酸菌を摂取する

腸内環境の正常化に役立つものといえば、乳酸菌が挙げられます。一般的に、ビフィズス菌がよく知られています。ビフィズス菌は腸内で善玉菌を増やし、悪玉菌を退治してくれます。生理機能や代謝の状態を正常に保ってくれる善玉菌が増えることで、腸内の正常な環境が維持されます。

・体を温める(お腹を冷やさない)

悪玉菌は低い温度で活発に活動します。一方善玉菌は、低い温度では活動量が低下してしまいます。体が冷えるとお腹を下してしまう、というのはこれが原因です。体温が低下すると腸内の悪玉菌が優勢になってしまうため、腸内環境を正常に保つにはなるべく体を温めることが重要なのです。

まとめ

腸内環境を正常に保つことで、セロトニンの分泌異常が起こることもなくなります。脳が腸に、そして腸が脳に影響を与えるということを踏まえ、どちらも大切にする生活を送ることが、うつ病の予防や改善に効果的なのです。

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