うつ病治療を支える「精神障害者保健福祉手帳」

1995年に改正された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」によって交付されるようになった「精神障害者保健福祉手帳」。
うつ病など、一定の精神障害を患っており、日常生活に少なからず支障が出ていると認められる人に交付されています。
交付を受けると、精神障害患者の自立と社会参画を支援するサービスを受けることができます。ここでは、うつ病の方が利用できる精神障害者保健福祉手帳のサービスと、その申請方法についてご紹介します。

精神障害者保健福祉手帳の交付が受けられる条件

精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるには、一定の程度と認められる何らかの精神疾患を患っていることが条件です。対象となる精神疾患はうつ病や双極性障害のほか、てんかん、統合失調症、アスペルガー症候群など。精神障害の度合いによって、1級から3級まで等級が定められており、それぞれ受けられるサービスが異なります。

精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービス

精神障害者保健福祉手帳の交付を受けると、国や地方自治体などからさまざまな支援が受けられます。

  • 公共料金(NHK受信料、公共交通機関の運賃等)の割引
  • 税金の控除、免除
  • 生活福祉資金貸付制度
  • 通話料の基本使用料・通話料の割引

また、公的サービスのほかにも、障害者雇用枠を設けている求人への応募が可能となります。こういったサービスは、全国一律で実施されているものもあれば市区ごとに異なるものもあります。

精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるメリット

通院や治療にかかる出費、休職による収入減など、うつ病の治療を続けていく上で避けて通ることのできない経済的な負担は、患者にとって大きな問題です。精神障害者保健福祉手帳の交付を受けることには、こういった経済的な負担を軽減し、治療に専念しやすくなるというメリットがあります。公共料金の割引や税金の控除が受けられるため、生活上の支出が抑えられます。

また、生活福祉資金貸付制度を利用することで、生計を維持するために必要な費用の貸付を受けることができます。十分な貯蓄がなく、うつ病治療中の生活費に不安があるという方にとって、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けることには大きなメリットがあるのです。

申請方法

精神障害者保健福祉手帳の交付を受けるには、事前の申請が必要です。申請はお住まいの市町村の窓口で行うことができます。その際、必要となるものが3点ありますのでご注意ください。

  1. 申請書
  2. 診断書(または障害者年金の受給証明書)
  3. 本人の証明写真

このうち診断書は、初めて精神疾患と診断された日から6カ月以上経過したのちに、精神疾患の診断や治療に携わった医師に記載してもらう必要があります。精神疾患と診断されてすぐに精神障害者保健福祉手帳の交付を受けることはできないため注意が必要です。なお、窓口への申請は家族や医療機関が代理で行うことも可能です。

申請すると精神保健福祉センターで審査され、そこで認められると精神障害者保健福祉手帳が交付されます。精神障害者保健福祉手帳の有効期限は交付日から2年間です。更新を希望する場合は、有効期限が切れる前に改めて医師の診断書を用意して、市町村の受付窓口や福祉事務所などに申請を出す必要があります。

まとめ

精神障害者保健福祉手帳の交付を受けると、さまざまなサービスを受けることができます。こういったサービスは、精神障害を患っている方の自立や社会参画を促すための福祉として提供されています。
うつ病や双極性障害、統合失調症といった精神疾患を患っている方の治療と生活を支える、とても心強い存在です。不安や心配を軽減し、うつ病の治療に専念できる環境を用意するためにも、利用してみてはいかがでしょうか。

関連記事

おすすめ記事