LOH症候群とうつ病との違い

LOH症候群という名前を耳にしたことはありますか?LOH症候群とは、男性ホルモンの分泌が減少することによって、さまざまな症状が認められる病気です。そのとき現れる精神症状が、うつ病の症状と非常によく似ているといわれています。うつ病なのか、LOH症候群なのか、今回はその違いを見極めるポイントについてご紹介します。 

LOH症候群とは?

LOH症候群とはLate Onset Hypogonadismの略で、加齢男性性腺機能低下症候群のことです。その名の通り加齢によって男性ホルモンであるテストステロンが減少し、男性性腺の機能が低下する病気です。女性の場合は閉経を迎えるころに女性ホルモンが減少し、更年期障害としてさまざまな症状を引き起こすことがよく知られています。

LOH症候群は女性の更年期障害と発症までの過程が似ていることから男性更年期障害と呼ばれることもあります。その症状は女性の更年期障害と同様に不安やイライラ、記憶力や集中力の低下、不眠、性欲の減退といった精神的症状から、頭痛や耳鳴り、筋力の低下、疲労感、ほてり、性機能の低下といった身体的症状まで多岐にわたります。

LOH症候群によって生じる精神的症状はうつ病と重なる部分が多く、特に初老期に発症すると判別が難しいといわれています。 

血液検査が一般的

うつ病とLOH症候群の症状はよく似ていますが、それを判別するには血液検査が有効です。LOH症候群はテストステロンの減少によって発症しますが、うつ病とテストステロンには因果関係がありません。このことからLOH症候群の診断には血液検査を用いられることが一般的で、検査によってうつ病との判別をつけることが可能になります。

また、LOH症候群の血液検査では血中の総テストステロンの濃度を測定しますが、そのなかでも体内で活発に働いているホルモン「遊離(フリー)テストステロン」の数値が重要であり、この数値が低くなるほどLOH症候群が疑われることになります。

やる気の低下や不安感、イライラといった精神症状があり、なおかつ遊離(フリー)テストステロンの低下が認められた場合は、LOH症候群の可能性が高くなるといえるでしょう。

発症原因に違いがある

うつ病もLOH症候群も、意欲が低下する抑うつ状態のような症状は共通していますが、その発症原因はそれぞれ異なります。うつ病が起こるメカニズムは完全には解明されていませんが、主にストレスによって脳の機能が低下することが認められています。

神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの分泌が関係しているとされており、うつ病にはこれらの神経物質を補う治療が行われることになります。

一方で、LOH症候群は、加齢によって男性ホルモンであるテストステロンが減少することが発症の原因とされているので、テストステロンを増やす薬剤を中心に治療を行うことになります。

医師に診断してもらうのがおすすめ

うつ病とLOH症候群は、生じる精神症状に大きな違いはないものの、その原因や治療法はまったく異なります。テストステロンの濃度など、明らかな違いを確認せず症状だけで自己診断してしまうと、適切な治療を受けることも難しくなってしまうので、まずは医師に診断してもらうことをおすすめします。

また、血液検査で数値の下降が明らかに認められる場合には診断もスムーズですが、病状の進行具合と検査を実施したタイミングによっては、必ずしも正しい結果が得られるとは限りません。さらに正常範囲の境目を指すケースでは、医師でさえも診断が難しいといわれています。

一度の検査結果で異常が認められない場合や、うつ病の治療を進めても一向に良くならないという場合には、もう一度LOH症候群の可能性を含め相談してみるのも良いかもしれません。また、うつ病の専門医とLOH症候群の専門医は異なる場合が多いので、主治医と相談したうえでセカンドオピニオンを受けて見るのもよいでしょう。 

まとめ

LOH症候群はうつ病と間違われやすい病気です。その原因や発症のプロセスはそれぞれ異なりますが、どちらの病気も早期の発見と適切な治療が望まれることは同じといえます。LOH症候群はうつ病のようにポピュラーな病名ではないことから、うつ病だと思い込んでしまう人も少なくないでしょう。

特に、患者の多くが40代から50代以上の働き盛りの男性で、ストレスを抱えやすい年代であることや、過去にうつ病を患った経験がある人が、うつ病の再発だと捉えてしまうことも原因のひとつといえるかもしれません。例えストレスに思い当たる点が多くても、過去に経験したような症状であっても自己診断は避け、まずは医師の診断をうけましょう。

その際より正確な診断に近づくために、血液検査は午前中にうけることをおすすめします。LOH症候群を示す遊離(フリー)テストステロン数値は、午前中に最も高くなるといわれているからです。

不安や不眠、記憶力や集中力の低下といった症状が現われたり、すでにうつ病の治療中で薬の効果が認められないという場合には、一度医師に相談してみるとよいでしょう。

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