うつ病患者が陥りやすい5つの勘違いをやめる

 

心の風邪として、日本では13人に1人がかかるともいわれるほど身近になったうつ病。
うつ病になる原因も治療方法も人によってさまざまですが、うつ病患者の口からとても多く聞かれる言葉があります。
「自分はうつ病を言い訳にして怠けているだけなのでは」
「うつ病を治すために、もっと強く治そうという気持ちを持つべきなのでは」
うつ病患者が抱きがちな考え方ですが、実はこれは大きな勘違いなのです。
今回は、うつ病患者の気持ちから「うつ病や精神科に対する5つの勘違い」についてお伝えします。

抗うつ剤や睡眠導入剤は、きちんと使えば治療の助けになる

うつ病になると、抗うつ剤や睡眠導入剤をたくさん処方される……。というイメージを持っている人もいらっしゃるかもしれません。医師の説明を受ければすぐにわかることですが、抗うつ剤はうつ病の症状や度合い、本人の希望などを反映して処方されます。正しい知識を持った医師が適切な量を処方すれば、抗うつ剤はうつ病を回復させるための足がかりとなるのです。
不安に思うことは、医師に聞くことができます。どんどん質問して、信頼できる医師を探しましょう。うつ病治療のためには、患者と医師の間に信頼関係があることも大切なのです。

精神科は、思っているよりも怖くない

うつ病の治療は主に精神科の医師が行います。しかし、精神科という場所は何かと誤解されがちで、治療のための最初の一歩を踏み出すことができない人も少なくありません。
「全体的に暗そう」「どんな治療をされるのかわからない」といったイメージは、精神科がいまだに世間に馴染みのない場所として認識されているからかもしれません。
しかし、精神科は内科や皮膚科といった他の病院とほとんど変わりありません。患者がくつろげる明るい雰囲気の待合室には、リラックスして治療に臨めるような工夫がされています。治療はカウンセリング(問診)と服薬治療が中心で、苦しい治療や辛い治療を強いられることもありません。精神科は、心が疲れたときの「休み方」を教えてくれるところなのです。

病気と戦わずに「お付き合い」する

病気に対して「戦う」という考え方を持っている人も多いのではないでしょうか。他の病気には通用しても、うつ病には「戦う」という考え方は通用しないのです。心の風邪ともいわれるうつ病ですが、薬を飲めば治るというわけにはいきません。うつ病は、脳や心が疲れ果ててコントロールできなくなってしまった結果です。疲れてしまったときには休息をとっていいのです。

「うつ病を治さなきゃ!」と気負うよりも「ちょっと一緒にいてみましょう」と、うつ病とお付き合いするつもりで治療を始めてみてはいかがでしょうか。したくないことは何もしないで、ベッドで寝転がって雑誌を読みながら昼寝してしまっても構いません。心も体も、休みたがっているのですから。

前にできたことができなくても、おかしなことじゃない

「前は人と話せるまでに回復したのに、今日は誰とも話したくない」
「昨日はコンビニで買い物できたのに、今日は外に出たくない」

うつ病になる前の自分や、調子のよかった日の自分と比較して「今日の自分はダメだ、明日もダメに違いない」と自暴自棄になってしまうことがあります。しかし、以前できたことができなくなっていても、それはおかしなことではありません。元来、人間の調子には波があります。うつ病になる前にも、調子のいいときと悪いときがあったはず。それとなんら変わりありません。できなかったことで自分を責めるより、今の自分ができることをしてみましょう。

ご飯を炊いたり、本を一冊読んだり、床に放りっぱなしの服を一着たたんだり。今の自分ができること、したいと思うことを一つずつ重ねていって得られた「できた!」という達成感を大切にしましょう。そうした達成感を繰り返して、「したい」と思うことの範囲を広げていけばいいのです。

理解のない言葉は、聞かなくていい

悲しいことに、うつ病になった患者に対して理解のない言葉をかける人もいます。
「うつ病なんて甘えているだけ」「薬でどうにかなるなら、たいしたことはないだろう」……。

そういった言葉を聞くことは、うつ病の治療を少しずつ遅らせてしまいます。難しいかもしれませんが、理解のない言葉には耳をふさいでもいいのです。自分自身が「聞きたくない」と思う言葉を聞く必要はありません。

もしも、両親や配偶者、兄弟など身近な人に理解のない言葉をかけられてしまったら、一緒に病院に行ってもらってもいいでしょう。そして、その人が納得するまで医師に説明してもらうのです。自分自身が信頼できると感じた医師ですから、家族にもきちんと説明してくれます。

まとめ

うつ病の治療に大切なのは、患者の「治したい」という気持ちです。しかし「治したい」と思うことと、「治さなくては」「治すべき」と自分を追い詰めてしまうことは全く違うものであることを、忘れないでください。

うつ病の治療の先にあるものは「以前の自分」ではなく「新しい自分」だといわれています。うつ病とゆっくり付き合いながら、今まで知らなかった自分を見つけてみるのもいいですね。

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