うつ病と間違われやすい病気4:心的外傷後ストレス症候群

PTSD、という病気を聞いたことがあるでしょうか。日本語では心的外傷後ストレス症候群といい、東日本大震災により、よく知られるようになりました。
PTSDは、過去の辛い経験が脳裏によみがえってしまうという病気です。
これを「フラッシュバック」といいます。
フラッシュバックが起こらなくとも常にイライラが治まらないという症状もあり、うつ病と間違われることがあります。
しかしPTSDとうつ病はまったく異なる病気であり、治療法も変わるので注意が必要です。

トラウマとなるほどの辛い経験がきっかけに

「トラウマとなるような辛い経験」がPTSDの原因だとされています。その経験の種類は人それぞれです。地震や火事などの災害、交通事故、犯罪被害などが代表的な原因で、そこで辛い経験や怖い経験をすると、PTSDを発症することがあります。ただ、同じ状況にあった人でもPTSDを発症しないことは十分にあり、確定的な原因ではありません。

PTSDを発症する人としない人の差は特になく、”誰にでも発症し得る病気”だといえます。心の弱い人、ストレスに弱い人がかかるわけではありません。

原因となった辛い出来事が突如フラッシュバックする

PTSDの原因となった出来事が突然フラッシュバックする、というのが代表的な症状です。特にきっかけらしいものはなく、突然恐怖に駆られて苦しみ出したり、泣き出したりします。思い出し方も人それぞれで、悲しみや苦痛だけが漠然と襲ってくることもありますし、当時のことを追体験するような鮮明なフラッシュバックが起こる場合もあります。

こういった不安や恐怖が長期間継続するのも、特徴的な症状です。症状が長期間続くと神経質になってしまうため、警戒心が異常に強くなり、周りに強く当たることも増えます。それで周りから、「嫌なやつになった」と勘違いされてしまうこともあります。こういった継続的な症状はうつ病にも見られるものであり、PTSDなのにうつ病だと勘違いされることもあります。

専門医のもとで、避けていたことと向き合う療法を行う

辛い記憶を思い出して不安になる、恐怖を覚えることは誰にでもありうるため、これだけでPTSDとはいえません。これが半年、1年と続くとPTSDの可能性がありますので、心療内科や精神保健福祉センター、保健所などへ相談に行ってみるようにしましょう。

PTSDになると本人が無意識のうちに人を遠ざけてしまうこともあり、周りからは気づかれにくくなります。さっきまで大人しかったのにいきなり乱暴な言葉が増えるなど、急激な変化がPTSDのサインです。そういった人が周りにいたら、病院へ連れて行くことが大切です。

PTSDの治療には、主にエクスポージャー(暴露)療法が行われます。トラウマの原因となるシーンをあえて思い起こしてみたり、近い状況を作ってそこに身を置いてみたりして、思い出しても不安になることはないということを体に染み込ませていきます。これを段階的に続けていくことで、やがてPTSDの症状は緩和されていきます。闇雲な追体験は逆に症状を悪化させかねないので、PTSDの専門知識を持つ医者のもとで治療を行うようにしましょう。

まとめ

以上が、PTSDの主な特徴です。PTSDはうつ病とは異なりますが、関連性は強く、PTSDのフラッシュバックが原因でうつ病を併発してしまう可能性があります。PTSDのサインを見逃さないようにして、早めの治療を心がけることが大切です。

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