うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の症状

精神症状・身体症状という
二つの面から、
うつ病の症状について
解説します。

食欲について

うつ病になると、心だけでなく体にも様々な症状が表れます。
食欲と体重の変化もその一つ。
うつ病になると、急に食欲がなくなって、ダイエットをしたいわけでもないのに痩せてしまうことがあります。
ところが反対に、異常な食欲を示して必要以上に食べてしまう人もいるのです。
うつ病による食欲・体重の変化にはどのように対応すれば良いのでしょうか? 
ここで、うつ病のサインでもある食欲・体重の変化について考えてみましょう。

食欲・体重の変化」はうつ病の診断基準の一つ

「DSM-IV」は、アメリカの精神医学会が定めた精神疾患に関するガイドラインの第4版です。これは、日本の医師やカウンセラーがうつ病の診断を行うときにも用いられています。「DSM-IV」には、うつ病の診断基準における9つの症状が記されており、そこには食欲と体重に関する次のような項目も含まれています。

食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加(例:1カ月で体重の5%以上の変化*)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。
  *小児の場合、期待される体重増加がみられないことも考慮する。
   (出典:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス総合サイト」)

「DSM-IV」では、上記を含む9つの症状のうち5つ以上が2週間継続した場合、うつ病と診断されると示しています。つまり、食欲がない、またはありすぎる状態が2週間続いたら、それはうつ病のサインかもしれないのです。

体重の変化はほかの症状ほど急速に表れるものではありませんが、上記の基準によると、普段は50kgだった人が1カ月の間に2.5kg以上痩せたり太ったりしたら要注意。もちろん、ダイエット中で食事制限をした、イベント続きで食べ過ぎたなど、心当たりがある場合は別です。

うつ病で痩せてしまうケース

何もやる気が起きない、何をしても楽しくない・・・・・・。うつ病になると、このように気分が沈んでしまいます。うつ病になると食欲不振になるケースが多いのもそのためです。気分が落ち込んで食べる楽しみが感じられず、好きだったはずのものまで食べたくなくなって、短期間で目に見えて痩せてしまう人も少なくありません。

また、うつ病になると自律神経のバランスが乱れることがあり、そのせいで食欲がなくなる場合もあります。食べたものが胃にもたれる、胸焼けがするといった症状があるときは、自律神経のバランスが乱れて胃腸の働きが弱っている可能性が高いのです。

病院で薬物療法などの治療を受け、うつ病の症状が改善されてくると、食欲も徐々に戻ってきます。ですが、それまでろくに食べずにいては体がもちません。

うつ病で食欲が出ない場合は、本人が負担を感じずに栄養を摂れる方法を考え、体重減少を最小限に抑えることが大切です。まずは、「これなら食べやすい」と思えるものを見つけましょう。そして、「どんなに時間がかかってもいい」「食べ切れなければ残してもいい」と考え、食べることのストレスを減らすことが大切です。また、上記のように自律神経のバランスが乱れている場合は、胃腸の負担にならないように少しずつよく噛んで食べることを心がけましょう。

うつ病で食べ過ぎるケース

うつ病では、異常な食欲を示して必要以上に食べてしまうケースもあります。これは、うつ病に伴う不安や感情の暴走を、食べることで抑えようとしているからです。このケースでは、特に甘いものを食べたがる人が多く、体重の著しい増加や糖尿病の併発といった問題につながる恐れがあります。

健康な人は、甘いものを食べると脳の中のセロトニンという伝達物質が増加し、満腹感や満足感が得られます。ですが、うつ病の人はセロトニンの働きが低下しているため、甘いものをいくら食べても、不安やイライラが解消されるとは限らないのです。

また、過食嘔吐に発展することもあります。そうなると、食欲のコントロールができなくなっているので、本人の力だけで改善するのは難しいでしょう。食事の量や仕方について医師の助言を求め、家族にサポートしてもらうことが大切です。

まとめ

食欲と体重の変化は、うつ病の代表的な症状の一つです。うつ病になると、人によって、食欲が低下するケースと増加するケースがあります。

食欲が低下する場合は、体重減少をできるだけ抑えるため、本人がストレスを感じずに食べられる方法を探すことが大切です。食欲が増して食べ過ぎる場合は、医師や家族の協力のもとで食事の管理を行いましょう。