うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の症状

精神症状・身体症状という
二つの面から、
うつ病の症状について
解説します。

感情について

うつ病の症例のひとつに、理由もなく悲しくなったり、自分には価値がないと思い込んでしまうような、極端なネガティブ思考があります。
そういったネガティブ思考は本人の問題ではなく、うつ病により脳の機能が低下し、思うように感情を表現できなくなってしまうことが原因です。
ここでは、うつ病と感情の関係についてご紹介します。

なんで悲しくなるの?

私たちは生きていくうえで様々な感情を抱き、それに基づきながら行動しています。楽しい・嬉しい・悲しい・切ないなど、いろいろな感情を毎日の暮らしのなかで感じることは、豊かな人間性を育むために大切なことです。

では、うつ病の方の心はどうなっているのでしょうか? うつ病の方の多くは、ネガティブな感情をいつも心に抱いています。「どうしてこんなに悲しいのだろう」「自分はダメな人間だ」「このまま消えてしまいたい」。 理由もなく悲しく、自分を責める状態が長く続いてしまうと深刻なうつ病を招いてしまうこともあります。

うつ病は、“心の病気”ではありません。自分で自分の感情をコントロールできず、いつまでも悲しい気持ちでいることは、本人の心の弱さが問題ではないのです。うつ病の原因は、脳の機能が低下していることにあります。

脳の機能が低下すると・・・

脳が機能するためには、神経伝達物質の働きが欠かせません。脳は外部から何らかの刺激を受けると、シナプスから神経伝達物質と呼ばれる化学物質を放出します。その神経伝達物質は細胞から細胞へ伝達され、脳の機能を活性化させる働きがあります。アドレナリンやドーパミンと聞くと、イメージしやすいのではないでしょうか。それらは代表的な神経伝達物質です。その種類によって働きは異なり、私たちの感情に大きな影響を及ぼします。前述したアドレナリンやドーパミンのように興奮や抑制を促すものもあれば、私たちに“幸せ”を感じさせる神経伝達物質もあります。

その“幸せ”を感じさせる神経伝達物質こそが、うつ病の特徴的な症状のひとつであるネガティブ思考の原因となるものです。その名前はセロトニン。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、精神を安定させる働きがあります。ストレスによる緊張状態を落ち着かせたり、幸福感を認識しやすくなるなどの働きがセロトニンにはあります。

このセロトニンの分泌のバランスが乱れると、精神の安定が保てない状態に陥ってしまいます。そのため、前向きな考え方ができません。何事にも幸せを見つけられず、どんどん悪い方向へ考えるようになります。うつ病の方が、ネガティブな考え方に陥ってしまう理由がここにあります。

まとめ

最近、理由もなく悲しくなったり落ち込んだ気分のまま過ごしていることはありませんか? 自分を責めることが増え、「このまま消えてしまいたい」と考えてしまったことはありませんか? それは脳の機能が低下して、神経伝達物質のセロトニンの放出が乱れていることが原因かもしれません。

セロトニンは精神の安定を保ってくれる働きがあります。セロトニンが不足すると、心と身体の緊張状態が長く続き、心身への負担は計り知れないものになります。そのネガティブな感情は、本人の心の弱さが招くものではありません。ストレスやショックにより脳の機能が低下していることが原因です。

自分に問題があるからと我慢しないでください。「悲しいことばかり考えているのは、うつ病だからかもしれない」という気づきが、うつ病を回復する大きな一歩になります。