うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の症状

精神症状・身体症状という
二つの面から、
うつ病の症状について
解説します。

罪悪感について

「どうしてこんなことも出来ないんだろう」「家族や友人に申し訳ない」……うつ病を患った人は、異常なまでに大きな罪悪感を抱えています。
何もできない自分を責め、家族や友人はうつ病にかかった自分を迷惑がっていると思いこんでしまいます。
人によっては、「自分には生きている価値はない」とまで考えてしまうことも。
そういった罪悪感が、うつ病の治療の妨げになるケースも少なくありません。
なぜうつ病を患った人は、異常なまでの罪悪感を抱えてしまうのでしょうか?

罪悪感を感じやすい人

一般的に、うつ病になりやすい人には「真面目で責任感が強い人が多い」という傾向があります。そういった人は誰にも迷惑を掛けたくないという気持ちが人一倍強く、自分だけで問題を解決しようとしてしまいがちです。社会へ貢献することは当たり前だと感じていて、自分に課せられた義務を全うするためには努力を惜しみません。

そのような人は周囲の期待に応えようと、自分のキャパシティ以上に頑張りすぎる傾向があります。そして頑張りすぎた結果、心と体のエネルギーが尽きてしまうのです。

真面目な人がうつ病になると、まず「うつ病になった自分」を責めるようになります。うつ病は精神面だけではなく、不眠や食欲不振など身体面にまでも悪影響を及ぼします。

体調不良が続くと集中力が続かなくなり、今までの自分では考えられないようなミスを連発するようになります。そのミスをカバーしようと本人はさらに頑張ろうとしますが、精神的にも体的にも不安定な状態では思うように体は動きません。今までのように仕事ができない自分にショックを感じ、同僚にも迷惑を掛けていると思い込んでしまいます。そしていつしか、「自分がうつ病にならなければ」と必要以上の自責の念に駆られてしまうのです。

大きくなり続ける罪悪感

うつ病の人の罪悪感は、際限なく膨らんでしまいます。できるはずの仕事の半分もできない、社会の義務も果たせない、家族や周囲に迷惑ばかりかけている、こんな自分は消えた方がいいのではないだろうか……このように、罪悪感のスパイラルは止まることはありません。雪だるま方式にどんどん大きくなり、本人の心に重くのしかかります。本人の極端なネガティブ思考がなくなるまで、罪悪感は付きまとい続けます。

うつ病を患っているときには、前向きな考え方をしにくくなってしまいます。うつ病のときの脳は機能が低下していて、神経伝達物質である「セロトニン」の働きが著しく阻害されているからです。セロトニンは、精神を安定させて必要以上のマイナス思考を止める働きがあります。本来ならば罪悪感スパイラルのストッパーのような働きをしてくれますが、セロトニンが不足している状態ではその効果は見込めません。

うつ病の治療中でさえ、罪悪感が大きくなる可能性があります。うつ病の治療は、心と体にストレスを及ぼさない環境で、できるだけリラックスして休息することが前提とされます。しかし、真面目で責任感の強い人は、「職場の人間が働いているのに、自分だけ休むことはできない」という思いが強く、治療のために必要なことだと理解していても「休息している自分」が許せなくなります。

また、家族に経済的な負担をかけていることに、強い罪悪感を覚えます。このような焦りや罪悪感は、うつ病の回復を遅らせるだけではなく、さらに症状を悪化させることもあります。

まとめ

うつ病のときに感じる罪悪感は、真面目で責任感が強い人ほど抱えこみやすいものです。何もできず、周囲に迷惑をかけている自分を責めてしまいます。そうやって気分が落ち込んだ状態が続くとさらにうつ病は深刻化して、よりネガティブな思考に傾いてしまうという最悪のスパイラルに陥ってしまいます。

罪悪感のスパイラルを止めるためには、どこかで「考え方・捉え方」を根本から見直す必要があります。とはいえ、考え方や捉え方は、これまでの人生経験で培ってきたものですから、本人の力だけではなかなか修正することもできません。医師やカウンセラーによるカウンセリング、または認知療法など、第三者の手助けを借りて、少しずつネガティブ思考のスパイラルから抜けられる考え方・捉え方を身につけていくことが大切です。