うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の治療

うつ病で受診をする前に、
治療について
知っておきたいことや
心構えをお伝えします。

極期のアプローチ【認知療法対人関係療法】

うつ病の治療では、十分な休息と適切な投薬、カウンセリングが主軸となります。
つまり、「心と身体」に向けた治療を行うことが最善とされており、確かな成果をあげています。
しかし、これらはあくまでも治療法であり、症状を改善することはできても、治療後の再発リスクを軽減するものではありません。 うつ病は非常に再発率の高い病気です。病状の治療が大切であることはもちろんですが、それと同じくらい再発のリスクを抑える改善策を講じることも重要になります。 再発のリスクを抑える改善策として、治療と並行して行われるのが認知療法対人関係療法です。
どちらも、「考え方捉え方」という側面からうつ病の症状を和らげ、同時に再発のリスクを抑えることができる方法として、精神医療の現場で用いられています。

うつ病になりやすい考え方を改める 認知療法

認知療法とは、「うつ病になりやすい考え方を改める」方法です。うつ病患者の多くに、特定の知覚パターンや考え方の傾向があります。

  • 悪口をいわれるとそれを真に受けてしまって深刻に悩みすぎてしまう
  • 過去の誤りを繰り返し思い出しては際限なく後悔してしまう
  • ちょっとした失敗でも大ごとに捉えがちで自分を過小評価してしまう

こういった考え方はうつ病患者の典型的な考え方、捉え方です。この点を改善しなければ、うつ病の再発を繰り返す恐れがあります。

そこで認知療法は、まずうつ病患者に対して、その人の思考パターン、捉え方の傾向を自覚してもらうところからスタートします。日常のなかで起きた出来事に対してどう感じたか、どう考えてどう捉えたかを紙に書き出してもらうのです。そうすることで、自分が物事に対してどう考えるのか、どう捉えるのかを客観的に把握してもらい、別の考え方や捉え方がないか探りだすきっかけになります。

認知療法を受けて新たな考え方や捉え方を身につけることで、うつ病の発症リスクとなるストレスの受け流し方を覚えたり、上手な発散方法を知ることにつながります。

他人との関係を見つめなおす 対人関係療法

対人関係療法とは、対人関係を通じて対人関係のストレスを解消するという治療法です。うつ病の原因とされるストレスはさまざまな場面、状況で発生しますが、とりわけ対人関係は原因の筆頭です。

厚生労働省が労働者を対象として行った「労働者健康状況調査」でも、ストレスの内訳でもっとも多い割合を占めているのは「人間関係」でした(2012年調べ)。このことからもうつ病の予防、治療、そして改善に「他人との関係を見つめなおす」ことが大切であることは明らかです。

対人関係療法では、ストレスを発生させる人間関係はひとまず分けて考え、まず本人にとってもっとも「重要な他者」との「現在の関係性」に注目します。身近にいる重要な他者、たとえば家族や恋人とのつながりのなかで「自分はきちんと認められている」という実感を得ることができれば、自己肯定感が高まり、自分で自分の価値を認められるようになります。

また、もっとも重要な他者との人間関係を見つめなおし、自己表現やコミュニケーションを通じて関係性を深めることで、対人関係の中で自分にどういった役割が期待されているのか、またそれに自分はどう応えていけばいいのか把握するゆとりが生まれます。

対人関係療法は、対人関係におけるストレス解消にはもちろん、うつ病の症状緩和に効果があることが医学的見地から実証されています。認知療法と併せて行うことで、うつ病を始めとする精神疾患の治療に役立ちます。

まとめ

認知療法は「考え方捉え方」からうつ病の治療や改善にアプローチし、対人関係療法は「重要な他者」との関係性から対人関係のストレスを緩和する方法を教えてくれます。どちらも本人の力だけではなかなか解決できない問題ですが、認知療法や対人関係療法を行っている病院に通うことで、問題解決の糸口がみえてくるかもしれません。