うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の治療

うつ病で受診をする前に、
治療について
知っておきたいことや
心構えをお伝えします。

極期のアプローチ【薬物療法】

うつ病において、さまざまな症状が具体的に心身に表れる段階を「極期」といいます。
常に悲しい、何事にも興味が湧かない、自分は無価値な人間であるといった自責の念が強まり、エネルギーが低下し体を動かすことも億劫になるなど、極期には明らかな変化が表れます。
そのため、本人も周囲も異変に気づきやすくなり、うつ病の発覚率が高まる時期でもあります。
多くはこの時点で医療機関を受診し、治療が開始されます。
うつ病の治療の基本は休養と薬物療法です。
抗うつ薬によって心身の機能を正常化させながら、ストレスの少ない環境でゆっくりと休養することが、うつ病の治療においては重要となります。

薬物療法の注意点

うつ病の発病メカニズムはまだ完全には解明されていませんが、疲労やストレスによってセロトニンやノルアドレナリンといった脳の神経伝達物質がうまく機能しなくなることが、うつ病の原因の一つと考えられています。これらの機能が極端に低下し心身に大きな影響を与える極期の治療では、薬により脳の機能を回復させる薬物療法が有効です。抗うつ薬のほかにも、症状に応じて抗不安薬や睡眠導入剤を処方する場合があります。

抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤を服用している最中には、さまざまな副作用が発生することがあります。減薬や断薬の際にも、離脱症状が出る場合もあります。薬を服用する際は必ず用法用量を守り、副作用が出た場合は医師に申告しましょう。

また、抗うつ薬などは即効性があるわけではなく、効き目が表れるまでに2週間から4週間ほど様子をみなければいけません。病態や体質により薬が効きにくい場合もあります。効かないからといって勝手に服用をやめてしまったり、薬の種類を頻繁に変えたりするのはやめましょう。

処方される主な薬

現在、抗うつ薬は大きく4つの種類に分類されています。薬効や副作用の強さはさまざまで、どれが一番よい薬かは患者の症状や体質によって異なります。発病しているうつ病の種類によっては禁忌とされる薬の組み合わせもあるので、服用の際は薬を処方する医師とよく相談し、用法用量を守って服用しましょう。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

SSRIには、デプロメール、ルボックス、パキシル、ジェイゾロフトといった薬があります。主に生体リズムや睡眠などに作用するセロトニンの働きを回復させます。軽症のうつ病では効果が少なく、中程度から重症の大うつ病に効果があるとされています。従来の抗うつ薬に比べ副作用が比較的少ないため、最初に処方されることの多い薬です。

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)

SNRIには、トレドミン、サインバルタといった薬があります。これらはセロトニン、ノルアドレナリンの働きを回復させる薬です。SSRIより意欲を高める効果が期待されています。副作用は非常に少ないといわれていますが、頭痛や口の渇き、排尿障害といった副作用も一部では報告されています。

三環系抗うつ薬(TCA)

TCAには、トリプタノール、トフラニール、アナフラニールといった薬があります。セロトニンやノルアドレナリンの働きを回復させる薬です。抗うつ薬として最初に使用されたもので、効果が高い・症状的に有効であるという理由で現在でも処方される場合があります。口の渇きや便秘、排尿困難といった副作用が確認されています。

四環系抗うつ薬

四環系抗うつ薬には、ルジオミール、テトラミドといった薬があります。主にノルアドレナリンの働きを回復させる作用があります。TCAの次に開発された薬であり、TCAに比べると薬効が低い代わりに副作用も軽いとされています。

まとめ

疲労やストレスにより脳の神経伝達物質の働きが阻害され、心身に大きな影響を及ぼすうつ病の極期では、薬物療法が有効とされています。一般的には、神経伝達物質の働きを回復させる抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤などが処方されます。病態や症状によって有効な薬は異なり、医師が患者の病態や症状をきちんと把握することが大切です。

薬の効き目が出るには2~4週間ほどかかる場合があり、その間に自己判断で減薬や断薬を行うことは望ましくありません。副作用の強さも薬や体質によって異なるため、不安がある場合は医師へ相談しましょう。こまめな医師へのアプローチは、医師との信頼関係を構築する上でも重要です。