うつ病ライブラリーDEPRESSION LIBRARY

うつ病の治療

うつ病で受診をする前に、
治療について
知っておきたいことや
心構えをお伝えします。

診察前【うつ病治療の流れ】

うつ病を治療する方法は、近年になって確立されつつあります。一括した治療法を選択するのではなく、患者一人一人に合った方法を模索し、うつ病の症状を少しずつ緩和していく治療方法が現在の主流です。抗うつ剤の服用やカウンセリングなど、いずれの治療法も長期的に続けることで効果を実感できるものですが、そのためには周囲が協力することも重要になってきます。今回は、現在うつ病治療において主流になっている、3つの治療法について詳しく紹介したいと思います。

十分な休養

うつ病治療を行うにあたり、何よりも大切なことです。疲れてしまった心と体を十分に休ませないことには、他の治療を行ったとしても効果が薄くなってしまいます。

また、真面目で責任感の強い人は、心の休養のために仕事を休んだり、家事をしないことに罪悪感に苛まれてしまいます。本人の罪悪感を取り除くためにも、家族の方は医師から詳しい病状を聞き、理解したうえで休むことを提案してあげてください。身近な家族からそう言われるだけで、本人の心は軽くなり「自分は今休んでもいいのだ」と思うことができるのです。

休養中も、仕事や家事といった心配事は尽きません。どうしてもそういったことが気になるようでしたら、入院も一つの手段です。うつ病の治療はいずれもすぐに効果が表れるものではなく、時間をかけてゆっくりと効果を実感してくものです。入院してしまえば、じっくりと治療に専念できる環境が整っています。費用と時間が許せば、入院を選択肢の1つとして考えてみてください。しかし、本人が望んでいないのに無理に入院させるのはいけません。本人が望まない状況はかえってストレスを与え、うつ病の悪化を招きかねないからです。治療方針や治療環境を決める場合は、本人の意思を尊重しましょう。

抗うつ剤の服用

薬の副作用についてとかく取り上げられる現代では、精神科から処方される薬に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、医師の指示を守ってきちんと服用すれば、薬は正しく効果を発揮します。現在判明しているうつ病の症状を、薬で改善することは可能なのです。

うつ病の治療に使う薬は「抗うつ剤」というもので、飲み続けることでうつ病の症状の原因となっている脳内神経伝達物質のバランスを正常に戻す効果があります。抗うつ剤は長く飲み続けることで効果が表れる薬なので、1週間ほどではなかなか効果を実感できません。もし途中で服用をやめてしまうと、効果が出ないまま副作用にだけ苦しめられることになります。薬を減らしたいと思ったときは、勝手に中止するのではなく、必ずかかりつけの医師に相談しましょう。

心理的治療(精神療法)

心理的治療や精神療法というとあまり馴染みのない言葉かもしれません。心理的治療とは、薬に頼らずに対話や訓練といった方法で患者の心や考え方に働きかける治療法です。カウンセリングや箱庭療法などが広く取り入れられています。カウンセラーや医師との対話を通じて本人が抱いている思いを再認識したり、本人が感じていることをきちんと表現できるようになることが目的です。

また、うつ病によくみられる「認知の歪み」という否定的な思考パターンを少しずつ取り除き、柔軟な思考能力を養う「認知療法」という心理的治療があります。患者本人が苦しんでいる問題について、「どんな状況で起きたか」「否定的な考え方に至る客観的事実」などの情報をできるだけ客観的に紙に書き出し、その情報についてカウンセラーと対話を行う治療法です。認知療法を繰り返すことで、患者本人が持っている自動思考(嬉しい、悲しいといった感情と共に頭に浮かぶ考えやイメージ)を明確にすることができます。

心理的治療は、カウンセラーと1対1で行うこともあれば、カウンセラー1人につき患者が数人集まることもあります。精神疾患からの復帰を支援する支援団体では、回復し始めた患者同士が対話する形のカウンセリングも行われています。

まとめ

うつ病治療において、現在主流になっている「十分な休息」「抗うつ剤の服用」「心理的治療」についてご紹介しました。患者の置かれている状況や本人の希望、治療費用などを鑑みて、患者一人一人に合った治療法を医師と一緒に探しましょう。うつ病は回復に向かったとしても、症状がぶり返すことが多い病気です。そういった場合でも焦らず、ゆっくりと時間をかけてうつ病と付き合っていきましょう。